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    ひらさか

    @FrozenIce_apple

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    ひらさか

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    お題箱のやつ

    「HEY!DJ!気分はどう?」
    「ビリー、何しに来たの?俺いますっごい機嫌悪いんだけど?」
    「Wow!当日でもないのにすっごい荷物!さっすがDJビームス☆」
    バレンタインが近づいてきたある日のパトロール中、『当日に渡せないから』と女の子達から次々にプレゼントを渡されて両手が塞がっていたところを通りがかりのビリーが話しかけてきた。

    「デモデモ〜、なんでDJはそんなに不機嫌なの?荷物が多くて動きづらいのは分かるけどバレンタインの贈り物なんだから中身はほとんどショコラでしょ?それにDJがバレンタインに抱え切れないくらいのプレゼントを貰うのだって今に始まったことじゃないし」
    「確かにそうだけど…、こんなにいっぺんにもらったら持ち帰るのにも一苦労だよ」

    確かに抱え切れないくらいのプレゼントをもらうのはアカデミー時代から同じだったし、それはバレンタインでなくてもそうだった。でも、今日はやけに両手の荷物が鬱陶しくて、イライラする。一歩歩くたびにこちらの荷物が落ち、それを拾おうと屈めば、そちらの荷物が落ちる。こんなの慣れっこだったはずなのになんだか久しぶりな感じがして、少し違和感を覚えた。

    「っああ、もう!」
    「あはは〜、DJ大人気だね〜。オイラも手伝ってあげようか?いつもお世話になってるからトクベツにタダで☆」
    「ビリーには頼まないから。…ああ、そっか」
    「DJヒドーイ!ってナニナニ?どうしたの?」
    「アハ、なんでもないよ。ってあれ?おチビちゃん?」
    「露骨に話ずらさないでヨ!」

    オーバーリアクションで悲しむふりをするビリーを無視して通りに目をやると、向こう側に見慣れた黄色い頭が見えた。おチビちゃんは何やら周りを見渡して、何かを探しているようだ。そういえばもうそろそろパトロールも終わる時間だ。いつも早く帰りたいからと誰よりも先に集合場所に立っている俺がいないことを気にして探しに来てくれたのかな。下手に動いてこれ以上プレゼントを地面に落とすのも嫌だし、おチビちゃんを呼ぼうとしたその時。おチビちゃんに女の子が声をかけた。その子は小さな紙袋をおチビちゃんに押し付けるように渡すと、逃げるように去っていった。

    「稲妻ボーイがチョコもらってる!」
    「アハ、ほんとだ」
    「アレ?DJって稲妻ボーイと付き合ってるよね?嫉妬しないの?」
    俺の反応が薄いのが気になったのか、ビリーが首をかしげる。
    「んー、しない訳じゃないけど…みんなもおチビちゃんがかっこいいことに気づいてきたんだなーって思って」
    ビリー相手に本心を話すのは迂闊だったかもしれないけど、おチビちゃん本人には聞こえる距離じゃないし、まぁいっか。
    「フワァーオ!DJってば稲妻ボーイのことが大好きなんだね♡」
    「クソDJ!こんなとこにいたのかよ...って、ゴーグルもいるのか」
    「ヤッホー、稲妻ボーイ!」
    おチビちゃんがこちらに気づいて駆け寄ってきた。
    「荷物が多くて動けないなら連絡しろよ」
    「ごめんごめん、スマホも取り出せないくらいもらっちゃって」
    「ったく…ほら、持ち切れない分よこせ。帰るぞ」
    「アハ、いつもありがとう、おチビちゃん。…ってことで、じゃあね、ビリー」
    俺の荷物を抱えてさっさと歩き出してしまったおチビちゃんの後を追い、足早にビリーに別れを告げる。
    「ワーオ、スッゴイ惚気られちゃった」というビリーの呟きは聞こえなかったことにして。
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