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    ひらさか

    @FrozenIce_apple

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    ひらさか

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    おやすみ…眠れない。
    原因はわかっている。部屋が寒すぎるのだ。真夏だというのに長袖のジャージのファスナーを一番上まであげて薄いタオルケットを肩までかけたフェイス・ビームスは何度目かもわからない寝返りを打った。クーラーの温度を下げた張本人である同室の恋人レオナルド・ライト・Jrは快適そうにすやすやと寝息を立てている。飛び級でヒーローデビューした恋人はまだ16歳、基礎体温が高いいわゆる子供体温なのに加えて真面目で毎日のトレーニングやパトロールにも手を抜かない彼は代謝も良く汗をかきやすいのだろう。フェイスがクラブから帰って来た時にはもう室温はこの様で、以前勝手にエアコンの設定温度を上げて口論になったことを思い返すと室温を変えるのは得策とは思えなかった。
    「…」
    「うう…ん…」
    この状況を打開するための方法を考えていると、ジュニアが微かな声を上げた。起こしてしまったのかと思い一瞬ドキッとしたが寝返りを打っただけのようで、もぞもぞと体勢を整えるとまたすぐに規則正しい寝息が聞こえてきた。
    音を立てないようそっとジュニアのほうを覗くとまだ暑いのかさっきまでかかっていたタオルケットがどかされており、それだけではなく着ているTシャツまではだけて腹が出ていた。流石のおチビちゃんでもこんな寒い中でお腹出して寝てたらお腹壊しちゃうよ、と声をかけようとしたが、気持ちよさそうに眠る恋人の寝顔を見ると起こしてしまうのは忍びないような気がする。今日も朝から張り切って一日中動き回ったのだろう、フェイスがベッドの傍に立ってもジュニアが起きる気配はない。フェイスはジュニアを起こさないよう慎重にジュニアのはだけたTシャツを下ろし、足元に追いやられたタオルケットをかけ直すために手を伸ばした。ジュニアにタオルケットをかけた瞬間、ジュニアがフェイスの腕を掴んだ。
    「...おチビちゃん?起こしちゃった?」
    恐る恐る声をかけてみるが、返事は返ってこない。そっと胸を撫で下ろしたものの、ジュニアは寝ぼけているのかフェイスの腕を掴んだまま離さない。
    「ちょ...離してよ、寝ぼけてるの?」
    ジュニアを起こさないようそっと掴まれた腕を引っ張るが逆効果のようで、ジュニアはフェイスの腕を抱き込むように寝返りを打った。そういえばおチビちゃんって寝る時枕を抱きしめる癖があったっけ。そんなことを考えていると、気づいたときには肘から下をホールドされてもはや逃げることは困難な状態になってしまった。
    「...ねえ、腕だけでいいの?」
    初めは驚いたが、抱きしめられた腕からジュニアの体温が伝わってきて遠ざかっていた眠気が戻ってくるような気がして、腕だけでは物足りなくなってきた。おチビちゃんのせいだからね。心の中で呟いてフェイスはジュニアのベッドに潜り込む。ジュニアは相当熟睡しているようで、フェイスの腕を離し目の前に現れた熱源になんの躊躇いもなく抱きついてきた。
    「...アハ。おやすみ、おチビちゃん」
    普段はなんでもない触れ合いにも緊張して動きがぎこちなくなるジュニアが無意識とはいえ積極的に触れてきたことに満足したフェイスはジュニアを抱きしめ返し、翌朝のジュニアの反応を楽しみにようやく訪れた眠気に身を任せた。
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