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    hatake21st

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    ジェイフロ
    ますかれ~どに参加してるジがモブ相手にフくんのこと惚気る話

    ##ジェイフロ

    深夜だというのに光のもとに出て、その中でまた己の顔を隠す。矛盾だらけの行動を楽しむためだけの空間は、お決まりのクラシックを流して今夜も嫌味なほどにシャンデリアを煌かせている。
     飲み物に口をつけるふりをしながら壁の花となっているジェイドは、案外こういった空間が嫌いではない。もともと煌びやかなものは好きだ。何より、白日の下に曝すようでその実一切を秘密にしたままでいるというのは、ジェイドにしてみるとたいへんにそそられる催し物だった。目元を覆ったマスクの間から視線を感じる度に、その奥にある後ろ暗さを照らして引きずり出したくなる。目の前をちらちらされるほどに煽られるのはどうしようもない捕食者としての性だった。
    「ミスター、お隣よろしいかな」
     ジェイドが僅かに体をずらしてやると、声をかけてきた男は人ふたり分ほどの間を空けてジェイドの隣に立った。そのままボーイを呼びとめて、もらった飲み物に口をつけた彼は、場慣れした雰囲気を敢えてジェイドに見せつけるようにして自然と会話を始めた。
    「日頃の疲れが癒されるね」
    「それは良かった」
    「ありがとう、こういうご褒美が無いとやってられない」
     探りをそっとかわすと素早く引くあたり、この場での振る舞いに心得はあるらしい。あくまで視線をダンスホールの方に向けたまま応じていると、ジェイドの素性を探ることを諦められないらしい男は、共通項を探そうと今度はダンスホールに会話の矛先を向けた。
    「好みの子はいた?」
    「貴方はいかがです?」
    「いたらこんなところにはいないさ。君はどうだい」
    「そうですね……」
     問いに肩を上下させた男は、ジェイドの視線の移動に吊られるようにダンスホールを見た。ドリンクで誤魔化していた視線が、藍のドレスから見える嫋やかな脚に伸びているのを、ジェイドは頭の隅でせせら笑う。口はともかく、視線は素直な男らしい。
     約束の時間まであと十分。暇つぶしにはちょうどいいだろう、と、ジェイドは覗く歯を隠すように口元に手を当てた。
    「夜色の服がとてもよく似合う子で」
     ジェイドの言葉に、男の表情が変わる。この男を射止めたのは一体誰なんだと、ダンスホール中をかけめぐる視線が可笑しくて、ジェイドは困ったように眉をきゅうと寄せた。
    「のびやかな四肢が美しく、装いの窮屈さに飽き飽きとしていて、それでいてどこまでも自由で」
     脳裏に描くのはただひとつで、それはジェイドにしてみれば当然たったひとりに帰結する表現なのだが、知らぬ人間は慌てて周囲を探っている。逃げ場をなくした後の獲物がよく同じ動きをしていた。どうすることも出来ないというのにちらちらと泳ぐ視線が愉快だった。
    「どんな生き物よりも愛おしい、僕のかわいいこいびとでしょうか」
     と、微笑んだジェイドに、男は一瞬動きを止めたあと、どっと疲れが押し寄せたように壁にもたれ込んだ。空になったグラスをくるくると回すように揺らしながら、必死に言葉を探した。
    「あー、もしかして、ぼくは惚気られたのかな」
    「申し訳ありません。どうも浮かれてしまったようです」
    「いや、君がそうまで言うほどに愛らしい方ならば惚気たくなるのも仕方がない」
    「ええ、とても、とてもかわいらしい子で……ですから、そのキーは必要ありませんよ」
     曖昧に笑って取り繕ったところに追い打ちをかけると、ジェイドを懐柔できないと悟った男は隠すわけでもなく「残念だ」と苦く笑った。ダメだと理解した途端、本性と腹を見せて素直になる賢しさをもつ男は、アズールなどは案外喜ぶ人脈になるかもしれない。
    「なあ、せめて君の言うその可愛い奥方を紹介してくれないかい?」
    「それは難しい相談ですね、何せ……」
     言いながら、ジェイドが視線をダンスホールに向けると、ようやっとかたわれの気配が戻ってきたのを感じ取る。ホールを介さなかったところを見るに、どうやら直接バルコニーへ飛んできたらしい。ジェイドが気付いたということを当然理解しているかたわれは、けれども決して振り返ることはしない。ただ、トン、トントン、と革靴の先で取っているリズムでジェイドを呼んだ。はやくかえろう、ここつまんない、あそぼう、と訴えるのが可愛らしい。
     ジェイドはボーイに中身の減っていないグラスを返し、壁から離れる。そして、暇つぶしのお礼に、と、男へひとつ秘密を開示してやった。
    「僕のあいするひとは、悪い子なんです」

     カーテンの揺れる向こうのバルコニーで、今日のために用意された夜色のスーツを纏う脚を伸ばしているかたわれが、ジェイドが隣にやってくると早々に「遅え」と唇を尖らせた。外すのはご法度と念を押されているマスクを指先で弄んでいるので、指を重ね合わせる動きでそれを奪い取り、つ、と流された視線を遮るようにもう一度付け直した。甘えの滲む目元の文句を甘んじて受けながら、ジェイドはにこりと人好きのする笑顔を浮かべた。
    「素敵なひと、随分と手持ち無沙汰なご様子ですね。よろしければ、僕とお話ししませんか」
     今日はその体でいくのか、と、問いかける視線に瞬きで是を返すと、どうやらジェイドの遊びに乗ってくれるようで、バルコニーに腹を前にしてもたれかかるジェイドの長い足、磨かれた革靴の先をつんとひとつつきしたあとに、フロイドは反対に背をもたれかからせた。
    「いいけど、つまんなかったら蹴飛ばしちゃうかも」
    「それはそれは、気を引き締めなければなりませんね。きっとあなたを楽しませてみせましょう」
    「期待してるよぉ、ミスターさん」 ちょとつかれた
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    hatake21st

    DOODLE歌って弾くoktがいるだけ
    当然のようにジェイフロ
    ※注意※
    世界観に合わない曲を歌わせています
    th 1st tαkeではるをつげるを聴いた結果、ジくんストリングスのazrくんピアノのフくんボーカルでやってくれないかなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ってなってしまうわけですよね、オチが読めましたね。ここから先は幻覚です。
    冷たさが沈黙を彩る中、ふう、と肺から空気の流れ出ていくのが聞こえる。ジェイドがその音の方へ視線をやると、ちょうど瞳を閉じていたらしいフロイドが、吸い込んだ酸素を身体に慣らすようにゆら、ゆらと揺れていた。その様子を見ているのは一人だけではなく、ピアノの前で背筋を伸ばし準備ができたことを伝えてくるアズールもまた、じ、とフロイドのことを待っていた。
    「あ、ぁー……あ」
     今日、この声帯が震わせるのはここだ、と確認するように出されたニ音。それらが空気に混じって消えたと同時に、フロイドが二人を交互に見た。準備はいいのか、と瞳で問うアズールと、どうぞ如何様にも、と微笑むジェイド。この二人が一緒なら何も問題ない、と表情を綻ばせるフロイド。楽しい遊びの予感を共有する空気は、存外の緊張感があった。
     そして、フロイドがくい、と今日の装いでもある寮服の帽子を触るのを合図に、アズールが一度肩を上下させる。力の入り方をきちんとコントロールし、ひとつ息を吸い込み、グローブの外された指を鍵盤に添えた。
     白い指先が沈められる。やさしく、耳朶をくすぐるメロディが始まりを告げる。小さい、しかし芯の通った和音。そして、 4953

    hatake21st

    CAN’T MAKEジェイフロ
    ますかれ~どに参加してるジがモブ相手にフくんのこと惚気る話
    深夜だというのに光のもとに出て、その中でまた己の顔を隠す。矛盾だらけの行動を楽しむためだけの空間は、お決まりのクラシックを流して今夜も嫌味なほどにシャンデリアを煌かせている。
     飲み物に口をつけるふりをしながら壁の花となっているジェイドは、案外こういった空間が嫌いではない。もともと煌びやかなものは好きだ。何より、白日の下に曝すようでその実一切を秘密にしたままでいるというのは、ジェイドにしてみるとたいへんにそそられる催し物だった。目元を覆ったマスクの間から視線を感じる度に、その奥にある後ろ暗さを照らして引きずり出したくなる。目の前をちらちらされるほどに煽られるのはどうしようもない捕食者としての性だった。
    「ミスター、お隣よろしいかな」
     ジェイドが僅かに体をずらしてやると、声をかけてきた男は人ふたり分ほどの間を空けてジェイドの隣に立った。そのままボーイを呼びとめて、もらった飲み物に口をつけた彼は、場慣れした雰囲気を敢えてジェイドに見せつけるようにして自然と会話を始めた。
    「日頃の疲れが癒されるね」
    「それは良かった」
    「ありがとう、こういうご褒美が無いとやってられない」
     探りをそっとか 2284

    hatake21st

    DOODLE※年齢操作 20代のジェイフロ
    フは合コンに行ってますが恋愛要素はジェイフロのみです。
    フがお酒飲んでジにお持ち帰りされる話
    身体が熱い。血液がミルクパンであたためられて全身をゆっくりと流れていっているような心地良い温さは、フロイドが陸に上がってから初めて知ったもののうちの一つだった。
     酩酊感と呼ばれるらしいこれは、アルコールによって引き起こされる反応の一種だ。身体をあたためるには良いが、過ぎたると毒なのだという。たとえ少量だろうが、毒を体内に入れるだなんて、人間は脆弱なくせに挑戦心ばかり旺盛だ。ただ、人間のそういうところをこそ気に入っているフロイドとしては、自らも人間となった今、その愚かとも言える挑戦を大いに楽しんでいた。
     お金はこっちで持つからと頼み込まれて参加した集まりは、男女の熾烈な狩り、いわゆる合コンと呼ばれるものだった。普段であれば聞きすらしなかった、街中の見知らぬ人間のその誘いに頷いたのは、お酒をタダで飲めるという以外に、ジェイドが夜遅くまでいないからだった。
     お仕事なんです、と告げて真夜中色のスーツを身に纏ったかたわれは、頬と額に物足りないほど柔いくちづけを落として、まだ返事をしていないにも関わらず、フロイドを置いて出て行ったのだ。朝一番、遅れてくちづけを返そうとして空を切った両腕の寂し 3552

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