AIWFC is YOU ハロウィンが終わると、街は途端にクリスマスの準備を始める。黒とオレンジ色の装飾はあっという間に消え去り、今度は赤と緑がやってくる。日に日に早くなる日没に対抗するように、電飾があちらこちらに伸ばされていく。
11月に入ればディスカウントストアの入り口にもツリーがきゅっと小さくなって並べられ、店頭にはアドベントカレンダーやチョコレートが山積みになる。人々の足取りもどこか軽く、しかし彼らのカートはずしりと重そうだ。
浮足立っていく街を見つめるおれの目はこれっぽっちも輝いていないだろう。おれの気持ちは全くもって浮かれてはいないからだ。
今年のクリスマスを、おれはおそらく一人で過ごすことになる。クリスマス当日には時が止まったかのように街のすべてがストップする。行きつけのバーも空いていなければスーパーだって早々に閉まるし、普段は忙しく働く店員も、警備員も、誰もが暖かい家の中で家族と過ごす。そういう日だ。
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