Recent Search

    natu_hoshi_oni

    @natu_hoshi_oni

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 4

    natu_hoshi_oni

    DONE猫しのぶさんと派手な男とハロウィンの話。本日はハロウィンなり。

     キメツ学園の廊下を、ぱたぱたと白いシーツを被ったナニカが走っている。
     生徒たちよりずっと小さなナニカには、よく見れば穴が開いており、目元から菫色の大きな瞳がくりくりと覗き、頭から黒い耳が音に反応してぴこぴこと揺れ、腰に開いた穴から尻尾がゆらゆらと揺れている。

     首には『とりっく おあ とりぃと』と拙く書かれたプラカードを下げて、どうやら保健室に向かっている様だ。

     バスケットの中いっぱいのお菓子をぎゅっと抱きしめてほわほわ歩いている小さな影に、ずいっと覆い被さる大きな影。

    「お? 胡蝶の猫じゃねぇか」

     そんなシーツお化けに声をかける派手な男。

    「……?」
    「よお」

     まじまじと無遠慮に見下ろし、首にぶら下がるプラカードを見て「ふぅん?」と面白そうに笑う派手な男に、白いシーツは「……ん!」とプラカードを見せつける。

    「あん? 今日の俺様から菓子をふんだくろうとは、なかなかに悪じゃねぇか。胡蝶猫」
    「……?」
    「まあ、お前に言ってもしょうがないか。……しかし、そうだなぁ」

     にやにやと、派手な男はポケットから飴玉を取り出し、おもむろに目の前で 1740

    natu_hoshi_oni

    MAIKINGTwitterで妄想してた初期のしのぶさんのホラーを文章化しようとしたもの。怖い話、ですか?

     なるほど。次の休みに百物語をする予定なので、お話のストックが欲しいと。
     ええ、構いませんよ。私で良ければ力になります。……でも、困りましたね。私は語るのが好きというだけで、そういった話に明るくは無いのですよ。

     いえいえ、語る際の抑揚で怖がらせるのが趣味なだけで……あら、そう言って頂けると語ったかいがありますね。ありがとうございます。

     ふふ、気分も良いので、手ぶらで帰らせるのもなんですし。……そうですね。

     私の、ちょっとした体験談などいかがでしょう?






     case.1 白紙の手紙






     カタンと、軽い音をたててポストの蓋を開ける。

     この日も、私宛の手紙が一通だけ入っていて、溜息を零しながら手を伸ばす。

    『胡蝶しのぶ様』

     封筒には、私の名前だけ記載されている。住所も電話番号もかかれていない胡散臭いソレを、感触と臭い、重さで危険はないと判断して開ける。
     ハラリと、中を取り出せば予想通り、白紙の何も書かれていない紙片に眉をしかめる。

    (何がしたいのかしら……?)

     最初は、これに何か意味があるのではと色々気になって調べてみた 2080