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    kurokuro_happy5

    @kurokuro_happy5

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    コンパスの86組(10、55、13、08)が好きな文字書きです。絵はかけません。
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    kurokuro_happy5

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    某音ゲーの某グループのパロ世界線。

    25パロ世界線86「私ね、サーティーンの作る曲が大好きなの」
    お前はそう言って笑った。
    「何だか、寄り添ってくれてるようで……勇気が貰えるんだ。凄く好きなの」
    嬉しそうに、笑った。
    俺の才能なんて全く無い曲を、唯一好きだと言ってくれたのが、お前だった。
    俺も、お前に曲を聴いてもらうのが好きだった。
    「ねぇ、サーティーン。私がずっと、サーティーンの曲を聴き続けるから……」
    なのに。


    「これからも、沢山、人を救える曲を、作ってね​───────」




    「……っ」
    ……1時だ。
    ログインしねぇと。
    「……うぃっす」
    『あ、サーティーン。やっほー』
    『お疲れ様』
    『よっ、サーティーン!』
    「おう。じゃあ、今日も作業始めようぜ」
    俺達は4人で集まって曲を作ってる。サークルのメンバーの顔は誰一人知らない。本当の名前も、どんな奴なのかも、何してるのかも知らない。
    ただ、俺の曲を完成させて、動画サイトにアップする。それだけを目的に集まっている。
    『ねぇねぇ、この間出した曲、10万再生いってたよ!』
    『マジ!?そんなに聴いてもらったんだな!』
    『良かった。沢山の人に届いたんだね』
    「……そうか」
    『ちょっと、何そのうっすいコメント。もうちょっと何か無いわけ?』
    「いいから作業するぞ。マルコス、この間言ってたラフはできたのか?」
    『今送るよ〜っと』
    メンバーをざっと紹介すると、
    歌詞担当の10(じゅう)。ちょっとガキっぽい。が、歌詞を作る才能に長けてる。俺の世界観にピッタリのものを持ってこれる。
    イラスト担当のマルコス。陽キャ。絵が死ぬほど上手い。賞取れるレベル。
    動画編集担当の08(ぜろはち)。全く喋らねぇ訳じゃないが寡黙。動画編集のセンスがずば抜けてる。
    で、作曲担当の俺。……この中で、一番才能が無い。
    俺はこいつらの才能に助けられてる。このグループができる前は、再生回数2桁が精一杯だった。
    そんな俺の曲を多くの人の目に留まるようにしてくれたのがこいつらだ。
    こいつらは俺の曲に惹かれたんだと。聴いた時はびっくりした。
    とにかく作り続けてるだけだったのに、あいつ以外の誰かに届いてたなんて……
    ま、おかげで助かってはいる訳だが。
    「10くん、ここの歌詞もう少し調整出来ねぇか?柔らかい感じの」
    『OK!考えてみる!』
    「08、ここはもう少し動かせるか」
    『あぁ、やってみるよ。ラフが出来たら送る』
    「頼むわ」
    『08〜、素材送るよ〜』
    『ありがとう』
    こうして俺達は朝まで作業する。
    ……これに何の意味があるのかわからない。ただ…………
    俺は、ただ、曲を作り続けるしかない。
    それだけだ​───────。



    『んーっ、一段落したし僕はもう落ちようかな』
    『……僕も落ちるよ』
    『わかった!おやすみ!』
    「お疲れさん。おやすみ」
    『おやすみなさーい』
    『おやすみ』
    俺もキリのいいところまでできたら仮眠するか……
    『……なぁ、サーティーン』
    「あ?」
    『お前はさ、何で曲を作り続けてるんだ?』
    「……言っただろ。それしかできねぇの、俺には」
    珍しいな、こんなこと言ってくるなんて。あんま自分の話はしたくねぇんだけどな。
    『オレはさ、歌詞書くのが好きなんだ。お前の曲も好き。だからこうやって皆と曲を作ってる』
    「……」
    『……お前は、そうじゃねーの?』
    「……さぁな」
    正直、曲を作ることは好きじゃねぇし、楽しくもない。
    俺には才能がない。こいつらとあいつ以外には誰にも聴いて貰えない。
    だから、作っても意味が無い。
    けど……


    『これからも、沢山、人を救える曲を、作ってね』


    俺は……あいつを……
    「っ……」
    『……サーティーン?』
    「その話はしたくねぇ。今後一切口にするな」
    『……ごめん』
    「いや、いい。俺の方こそ悪いな」
    俺はただ、作り続けなきゃならない。人を救える曲を。
    そうじゃねぇと……


    ​───────俺は、あいつを殺した罪を、償えない。






    「……ねぇ、零夜」
    『……何だい』
    「キミはあの人のことどう思う?」
    『サーティーンのこと?』
    「うん。こうして曲を作り続けてるけどさ。何であの人の曲に惹かれたのか、未だにわからないんだよね〜」
    『……』
    「キミみたいに、何か意味を感じたと思うんだけどさ……このままだと飽きが来ちゃいそうだよ」
    『……やめるの?』
    「まだやめないよ〜。あと3曲くらい完成させて、それでもわからなかったらやめようかな。どうせネットの人だし」
    『……やめない方が、いいと思うよ』
    「え?」
    『僕が君に何かを齎して、こうしてまだ繋がれているように……人との関係が一週間も持たない君が、一年もこのグループにいるんだ。これは捨ててはいけない縁だと思う』
    「……」
    『きっと、何が感じるものがあるんだよ。僕に何かを感じてくれているように』
    「……結局わからないなら、"ボク"が見つからないなら、全部意味無いよ」
    『……』
    「ねぇ、零夜……キミのことも突然捨てちゃうかもしれないけど、恨んだりしないでね」
    『……恨まないさ。それに、僕は君を捨てない。離れないから』
    「ふふ、零夜かっこい〜」
    『本当だよ』
    「うんうん、いいねそういうの。全くわかんないけど」
    『……』
    「じゃあ、また明日ね。おやすみ」
    『……おやすみ、マルコス。また明日』
    ブツッ
    「…………………消えたいな」
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