Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    クローン

    @tannpopo1282235

    二次創作小説・絵(パロ・BL・SUS) まとめ場所
    色んなCPを載せるので各自自衛を願います。

    FA(健全・BL全て)こちら↓
    pixiv: https://www.pixiv.net/users/4005832

    ☆quiet follow Yell with Emoji 👏 💕 👍 💘
    POIPOI 104

    クローン

    ☆quiet follow

    【🧡&💛】いないいない……ばあ!

    初めてお兄ちゃんになるミスタの話
    #ラ兄弟

    #ラ兄弟

    弟が生まれた。名前はルカ。
    俺の初めての弟。
    今まで俺には兄が三人いて、俺が一番年下だった。俺が弟だったのに今日から俺は、お兄ちゃん。

    お兄ちゃんってどうすればいいんだ?

    「可愛いな」
    「ほっぺがプニプニだ」
    「あっ!あくびした!」
    兄達はルカを代わる代わる抱っこし、笑顔を見せている。俺はそれを少しだけ離れた所で立って見ていた。ルカを抱っこしたシュウが言う。
    「ミスタも抱っこする?」
    今まで俺に向いていたものが全部ルカに注がれている。やっと向いたものもルカを通して。今思えばバカな事を言ったと思う。でも思った事が口をついて出てしまった。

    「......俺とルカ、どっちが大事?」

    一瞬静まり返った部屋。アイクが突然立ち上がり、俺を強く抱きしめた。泣き出したルカをシュウがあやし、ヴォックスは俺の頭に手を乗せた。

    「どちらが大事か......例えばそうだな、ミスタは私とアイク、どちらが大事?」
    「......!!」
    聞いてしまった事に大きな後悔が押し寄せる。答えなんて決まってる。どちらも、みんな大事な事なんて。

    ヴォックスは俺の頭を撫でて言った。
    「すまない。意地悪な聞き方をしてしまったね。そしてお前に寂しい思いもさせてしまった。ごめんな」
    「っご、ごめんなさい、ご、ごめ、っゔ〜〜〜っ......!」

    ああ、俺、寂しかったんだ。
    気付いたらもっと悲しくなって、それを分かっているかのようにアイクが俺の涙を拭い、ごめんねミスタ、大好きだよ、と頬擦りしてくる。今だけは俺もルカと一緒だ。俺は小さな子どものようにアイクにしがみついた。アイクも笑って抱っこしてくれる。
    「おれっ、お兄ちゃんなんかできない……!」
    「大丈夫。出来るよ」
    「どうやって……?」
    「うーん、そうだなぁ……」

    ヴォックスがルカに自分の指を握らせながら言った。
    「まずは触ってごらん。優しくね」
    ヴォックスを真似て、指を差し出す。ルカはまだ涙を溢しながらも俺の指に気付き、ぎゅっと握った。思わず手を引っ込めようとしたら逃がすものかというように力を込められる。
    「ちからつよっ!?」
    「ははは!そうだろう。こんな小さな身体なのにすごい力を持っているんだ」

    アイクが俺の背中を撫でながら言う。
    「ルカに話しかけてごらんよ」
    「えっ、何話せばいい!?」
    「ルカとどうやって過ごしたい?何をしてあげたい?」
    「うーん......むずい……」
    「例えばそうだな……今までしてもらって嬉しかった事をこの子にもしてあげればいいんじゃないかな」
    兄達を見て考える。
    「……いっぱい遊んでもらって嬉しかった。おやつ分けてもらって嬉しかった。ぎゅってしてもらって嬉しかった……」
    「うんうん、そっか。じゃあルカにもいっぱいそれしようね、してあげるねってお話ししてみたらどうかな?」
    「えっと、いっぱい遊ぼうね!おやつも分け......ゔ......〜っおやつもあげる!!ぎゅーっていっぱいしてあげる!!」
    涙の止まったルカがじっと俺を見た。
    「あ、ぅあ〜〜!」
    「あ!ルカが返事してくれてるよ!」
    「伝わってんのかな......?」
    「きっと伝わってるよ。もしかしたらお菓子くれって言ってるのかも」
    「えー!!お前まだ食べれないだろ!」
    「う〜?」
    それを見たヴォックスが大笑いする。
    「はっはっは!まあ、おやつは無理せずみんなが満足する分作ってやるからな!」

    「さぁミスタ。君も抱っこしてみて」
    シュウにルカを差し出されるも、受け取る勇気が出ない。どうやって持つの?俺でいいの?もし落としでもしたら……そうこう考えているうちにルカの目に涙が溜まっていく。
    「!! ルカ泣きそう!!やっぱムリ!!俺じゃ『ミスタ』」
    顔を上げると兄達が俺に微笑んでいた。
    「大丈夫、ミスタなら出来るよ」
    アイクが背中を撫でてくれる。
    「まずは笑って」
    シュウがにっこり笑って見せる。
    「私たちもいるからね。一つずつやっていこう」
    ヴォックスに抱っこの方法を教えてもらい、そーっとルカを受け取る。

    見つめ合う俺達。

    シュウに小さく(笑顔だよ!)と囁かれ、慌ててぎこちなく笑ってみせた。ルカがしばらく俺の顔を見て「あー、あーっ」と声を発する。俺の髪をきゅっと掴んだ。

    「あぅーーっ!」
    ルカが笑った。それはもうニコッ!という効果音が聞こえてきそうな程、満面の笑みで。
    そして俺は見事にその笑顔に心臓を撃ち抜かれた。
    「か............ かわいい!!!!」
    思わずルカのお腹に顔を埋めれば、きゃっきゃっ!とルカがさらに笑って俺は幸せな気持ちでいっぱいになった。

    再び見つめ合う俺達。
    今度は自然に笑うことが出来た。
    「ルカ、大好き。これからいっぱい遊ぼうね」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🙏☺😭😭😭🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    クローン

    PROGRESS【💙&💛】空飛ぶ夢、見てみたかったんだよね
    #ラ兄弟
    「ゔ〜......!ふぇ〜ん......!」
    「おっと、どうしたのルカ。怖い夢でも見た?」
    「ゔ〜アイクだっこ〜......!」
    「よしよし大丈夫だからね」
    昔、悪夢を見て泣くルカをよくあやしていた。お昼寝の時も夜の時間も。ぐずぐず泣きながらアイクに抱きつくルカは、毎回アイクの温かい体温と優しい声に安心して二度目の眠りに落ちていく。
    アイクは可愛い弟が頼りにしてくれる喜びを感じ、ルカは優しい兄の事を安心できる存在として大切に思っていた。
    そんな二人も成長し、そのうちルカは悪夢を見なくなった。今日はこんないい夢だったと報告できるくらいに。

    そんな中、今度はアイクが眠れない日々を過ごすようになる。高校生になり新しい環境に難しくなる授業、両親のいない家で兄弟たちの世話をし、出来ない事だらけなのにやりたい事は沢山ある。皆の協力の元、日が経つにつれ少しずつ出来る事が増え軌道に乗り始めた日々の最中。張り続けていた糸がプツンと切れたらしい。眠気が来て布団に入るも数時間で目が覚めたり、悪夢で飛び起きる日々。分かってはいるが、寝なくちゃ、明日も学校が、と考え込んでしまい悪循環に陥っていく。二週間も経つ頃にはアイクの目元にはクマがくっきりと浮き出ていた。
    1555

    related works

    recommended works