竜王と和解する世界線を考える。*
「勇者さま…いえ、今はアレフさまと呼ばせてください。」
「アレフさま、これからローラは…ひとりごとを言います。ラダトームの王女としてではなく、ひとりのローラという娘として…。」
「かつて竜は世界を守る存在だったと、古い書物に書いてありました。」
「竜の王とまで呼ばれる竜が何故ひとに仇なす存在になってしまったのか…その理由は私には分かりませんが…」
「もしも…もしも意思を交わすことが出来るなら、和解する事が出来るのではと、そんな夢のような事を願わずにはいられないのです。」
「どうかご武運を、アレフさま。」
*
「世界の半分などいらない。そもそも世界はお前のものではない。」
「だが竜の王よ、私はお前と取引がしたい。」
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