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    sineternalpenko

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    sineternalpenko

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    ひよこ豆さんのイラストにつけさせていただいた夢小説です。うっすらリヴァハン前提の原作軸。なんでも許せる人向け。

    運命は海を越えて私の名前はヒヨ・コマメ。私はマーレのレベリオ収容区で生まれ育った。両親は商売をやっていて、この収容区では、特に珍しくもない普通の家庭の普通の暮らし。私は慎ましく生活する善良なエルディア人であったと思う。それなのに、ある日、私の運命は一変した。
    部屋でパイを焼いていた私の耳に玄関のチャイムの音が響く。その日は友人が遊びに来てくれる予定だった。なんの疑いもなく家の扉を開け、
    「いらっしゃい、待ってたわよ、コウ」
     友人に声をかける私。しかし、そこにいたのは友人ではなく、マーレの軍服に身を包んだ男たち。なんの抵抗も出来ないまま、私は男たちに連れて行かれ、牢に入れられた。私はマーレに対する反逆の疑いをかけられたのだ。
    「何もしていません!」
    必死に訴え、声が枯れるまでマーレへの忠誠を叫んだけれど、疑いは晴れなかった。どうやら、私の親族が反マーレ組織に所属していたらしい。私はその親族とは、面識もなかったけれど、裏切り者を出した一族は皆、同罪。それがマーレの掟だった。
    数日後、私は楽園送りが決まった。
    楽園送り執行の日、噂に聞いていた通り、私たちは、壁の上に並べられた。これから、脊髄液の注射を打たれる。何一つ、悪いこともしていないというのに、収容区に閉じ込められ、迫害され、そして安らかに死ねるでもなく、これから、注射を打たれて、無垢巨人となり果てるのだと思うと、悔しくて悲しくて涙が止まらなかった。
    ふと見ると、並んでいる罪人の中に友人の姿が見えたような気がした。いや、そんなはずはない。彼女も何もしていないはず。私の勘違いだと願いつつ、我に返った瞬間に、順番が来て、注射を打たれた。
    ああ、もし生まれ変われるのなら、次は幸せな人生を送りたい。そう考えながら、私は壁の下に突き落とされ、意識を失った。

    目が覚めた時、私は無垢巨人になって、パラディ島を彷徨っている……はずだった。しかし、私は、なぜか黄色い毛に覆われて羽根の生えた小動物になっていた。
    「ぴよ」 
    声を出してみると、私の口からそう発音された。どうやら、私は無垢巨人ではなく、ひよこになったらしい。
    巨人ではなく、ひよこになるエルディア人もいるのだろうか。いや、そもそも私はエルディア人ではない?考えたところで答えはない。私は、短い足で歩いてみる。全然前に進まなかった。それでも、木陰まで行こうと歩いてみると、木の根元に、何かが横たわっているのが見えた。ここにいるのは無垢巨人だけ、のはずだが、それは無垢巨人とは明らかに異なる姿をしていた。というか、はっきり言ってそれはぺんぎんだった。なぜ、ぺんぎんがいるのか。そもそも水のない場所で生きられるのか、疑問は尽きなかったが、私は恐る恐るぺんぎんに近寄る。
    「ぴよ?(大丈夫ですか?)」
    声をかけられるほど、近付いて、私は唐突に理解してしまった。このぺんぎんは、私の友人のコウ・ペンだと。
    「ぴよぴよぴよぴよ(コウ、コウなんでしょ!私、ヒヨよ。やっぱりコウも楽園送りにされたのね)」
    「ぐえ…?(ヒヨ…?)」
    私がコウの身体を必死で揺すりながら声をかけると、コウは目を覚まして私を見た。なぜか私はぺんぎんの言葉が分かったので、会話が成立した。
    「ぐえ!ぐえ?ぐえぐえっ?ぐえぐうぐえー?(え!ヒヨも?ていうか、なんでひよこ?いや、なんで私ぺんぎん?)」
    面倒なので、ここからは、ぴよとぐえは省き、通訳版でお送りしたいと思う。
    『コウ、私もなにがなんだか分からないけど、そういう世界線みたいなの。受け入れましょう。とりあえず、会えて良かった!!』
    私は、コウのヌメッとしたボディに抱きついてみた。
    『わけがわからないよ』
    コウはまだ現実を受け入れられないようで頭を抱えている。

    ドドドドドドドド
    その時、地面が大きく揺れた。そして、聞こえた。足音である。私とコウは振り返り、そして叫んだ。
    『巨人!!』
    そう、ここはパラディ島。巨人の住処だった。壁の中まで逃げなければ、私たちはいずれ巨人に捕食される運命。再会を喜んでいる場合などではなかったのだ。巨人はまだ遠くにいたが、物凄いスピードでこちらに向かって走ってくる。私たちは、とりあえず木の後ろ側に隠れることにした。巨人がひよことぺんぎんに興味を示すかは分からないが、踏み潰されたら終わりである。私たちは、とりあえず走った。だが、遅い。信じられないほど前に進まない。なぜ、二人とも嫌がらせのように、飛べない鳥類なんだろうか。
    考えている暇もなく、あっという間に無垢巨人は私たちの近くまで来た。私たちに気づかずに走り去って欲しいと願うも、巨人はぴたりと足を止め、そして、私に手を伸ばす。残念ながら、ひよこも奴らの捕食対象のようだ。巨人につかまれた私は、巨人の握力で潰される。ぐきっという音が響いた。たぶん骨が折れたのだろう。私は、再びこの世と別れる覚悟を決め、目を閉じた。遠くで、コウの鳴き声と、それから馬の走る音、そして人の声が聞こえた気がしたが、現実なのか幻聴なのか、もはや判断がつかなかった。

    次に目覚めた時、全てが夢で私はマーレの家のベッドに眠っていた…ら良かったのだが、目が覚めても私はひよこだった。そして、私は見知らぬ場所に寝かされていた。起き上がろうと身体に力を入れると全身に痛みが走る。まだ慣れないひよこボディを確認すると、包帯が巻かれている。もしかして、コウが巨人を撃退し、怪我の治療もしてくれたのだろうか。
    『コウ?』
    私が声を出すと、
    「あ、目を覚ました!ねえ、リヴァイ、ひよこ豆が目を覚ましたよ。良かった!気分はどう?私はハンジ・ゾエ。怪我をしているから、無理に動かない方がいい」
    という声と共に、一人の人間が私を覗きこみ、後からもう一人もやってきて、私を見つめる。
    『え、あなたたち誰ですか?』
    聞いてみたが、どうやら言葉が通じないらしく反応はなかった。
    「死んじゃいなかったようだな。あのぺんぎんを連れてきてやったらどうだ?」
    リヴァイと呼ばれた人間に言われて、ハンジは頷いた。
    「ああ、そうだね。今、こーぺんを連れてくるよ」
    そして、しばらくして連れてこられたのはコウだった。
    『コウ!』
    『ヒヨ!』
    そして私たちは再び奇跡の再会を果たしたのだった。

    コウからの説明はこうだった。巨人に食べられそうになっていた私とコウは、たまたま通りかかったパラディ島のエルディア人達に助けられた。彼らは、調査兵団という組織の者達で、調査兵団は、壁外に出て調査し、巨人を倒すために戦っている。私たちは、変わった種類の巨人として調査研究のために、壁内に連れて来られ、今は調査兵団の分隊長であるハンジ・ゾエという名のエルディア人が私たちの監視役兼世話係だという。
    『私たち、島の悪魔に捕まってしまったのね。このままじゃ、殺されちゃう』
    パニックになる私に、コウは言った。
    『でも、聞いていたほど悪魔ばかりじゃないと思う。私たち、最初は殺されそうになったけど、ハンジさんが守ってくれた。ヒヨのこともずっと心配して治療してくれてたよ。エルビンだとかへいちょうだとか呼ばれてる男の人達と、私たちを逃がしてあげられないかな?って相談していたのも聞いたし』
    『コウ、島の悪魔に魂を売ったの?私は信じない!なんとか逃げましょう』
    言った私に、コウは悲しそうな表情をして、それ以上なにも言わなかった。

    それから、コウは別の部屋に連れていかれ、私は夜眠れもせずに痛む身体をさすりながら天井を見つめていた。
    「ちょっといいかな?」
    夜中に扉が開いて、ハンジが部屋に入ってきた。応じる気のなかった私は、背中を向けたまま眠ったフリを決め込んだ。
    「寝てるかな、ひよこ豆。あ、『ひよこ豆』っていうのは私が君につけた名前だ。名前がないと呼べないしね。ぺんぎんの方はこーぺんって名付けた。ちょっと、独り言失礼するよ。明日、私たち調査兵団はウォール・マリアを奪還するための勝負に行く。敵は計り知れない力を持ってる。上手く行くかは分からないけど、ここで勝利したら巨人のことや壁外のこと、今まで知るすべの無かった真実が明らかになるかもしれない。そうしたら、君やこーぺんのこともわかるかもしれないし、仲間の所に帰してあげられるかもしれない。君たち、言葉は通じないけど、我々同様に知性を持ってるんじゃないか?でも敵という感じはしないな。なにより姿がカワイイしね。まあ、壁内に潜入してたスパイに出し抜かれといて、そう思うのは甘いかもしれないけど。生きて帰れたら、いつか話せるといいな。私が死んでもきっとリヴァイは生きてるよ。彼は強いから。リヴァイも君たちを悪いようにしないと思うから安心して。ああ見えて優しい男なんだ。私はさ、敵も味方もなく対話して、みんなが安心して暮らせる世界を作りたい。また会えたらいいね。じゃあね、おやすみ、ひよこ豆」
    ハンジ・ゾエはそう一方的に話して部屋を出て行った。事情はよく分からなかったが、ハンジが死ぬ覚悟で壁外に明日出かけることは分かった。最初で最後かもしれないハンジの長い話。島の悪魔であるはずのハンジの話は、その夜ずっと私の耳に残って離れなかった。

    数日後、ハンジは再び私の部屋にやってきた。
    「やあ、また会えたね、ひよこ豆」
    明るく手を上げたものの、ハンジは片方の目に包帯を巻いており、数日前に比べて、どこか陰のあるような雰囲気を帯びていた。
    「戦場からは帰って来れたけど、目を負傷してね。少し熱が出たから部屋で休んでたんだけど、寝るのにも飽きちゃった。少し話そうよ」
    言われた私が、
    『ぴよ』
    と答えたら、ハンジは嬉しそうに笑った。ハンジは部屋にあった椅子に腰掛けると、前回と同様に一方的に話し始めた。
    「君はさ、マーレから来たんだろ?」
    急に言われて、私はどきりとする。
    「やっと分かったんだ。壁の外のこと、巨人のこと。でも分かればすっきり解決、なんて上手い話はなくて、外の世界を知らなかった私たちは途方に暮れてるよ。それに、この戦いであまりに仲間を失いすぎた。エルヴィン……モブリット……みんないなくなって、私が団長だってさ。私に何ができるだろう……」
    うなだれるハンジに対して私は言いたかった。対話で皆が安心して暮らせる世界を作りたいと言っていたじゃないですか。きらきらした眼差しで。あなたは、きっと理想を成し遂げられる人。だから、諦めたりしないで欲しい、と。そう、島の悪魔であるはずのハンジに、私は惹かれてしまっていた。収容区で育った私には、理想を語るハンジがとてもとても眩しく見えたのだ。でも、何も伝えられない私は、ハンジの近くに寄り、ぴよぴよとただ鳴いた。
    「クソメガネ、ここにいたのか。勝手にうろついてんじゃねえ、病人だろうが」
    次の瞬間扉が開いて、リヴァイが入ってきた。
    「いや、寝るのにも飽きてさ」
    誤魔化すように笑ったハンジの額にリヴァイは手をあてる、
    「まだ熱がある。いいから、部屋に戻れ」
    言い方は乱暴だったが、リヴァイがハンジを気遣っていることは私にも、わかった。
    「ごめん」
    ハンジは小さく謝って椅子に座ったままでリヴァイを見上げる。さっきまでのハンジの暗い表情が、どことなく和らぎ、ほっとした表情に変わったように見えた。
    「行くぞ」
    リヴァイが差し出した手をハンジは取り、一瞬だけ二人は指を絡めて、それから離した。そのなんでもないような瞬間が私の心には深く刺さった。
    『行っちゃった……』
    二人が去ってから、ひとり呟いた私の言葉は、ただぴよぴよと部屋に響いた。

    団長になったハンジさんは日々忙しそうにしていたが、時々私の部屋にやってきて、近況を話してくれた。マーレから義勇兵が来て、パラディ島の発展のために力を合わせることになったらしく、鉄道や港を作るんだと、意気揚々と私に話してくれた。でも、ハンジさんは元気な時ばかりでは無かった。部屋に来たものの何も話さず、ため息をついてしばらく考え事をして、出ていくこともあった。そんな時、私はハンジさんの側にただ寄り添った。ぴよぴよと鳴くと、ハンジさんは目を細めて私を撫でてくれて、その優しい手が、私は大好きだった。何も出来ないけれど、頑張っているハンジさんの力になりたいと思った。
    ある夜、ハンジさんは私の部屋で、ぽつりぽつりと近況を話していたが、疲れていたらしく、そのまま眠ってしまった。こんなところで寝ては風邪を引くと思った私は、ハンジさんを起こそうと必死にぴよぴよと鳴いた。しかし、ハンジさんは起きる様子もない。ジャンプして、鳥かごにアタックしてみたりもしたが、なんの効果もなかった。諦めて、私はハンジさんの寝顔を見つめる。
    「うーーん」
     ハンジさんが寝苦しそうに声を上げる。悪い夢でも見ているのだろうか。心配になって、そのまま見つめていると、ハンジさんの綺麗な瞳から涙がこぼれ落ちた。
    『ハンジさん……!』
     どうしたらいいか分からない私は、ハンジさんの近くまで行き、ハンジさんの涙をそっと舐めた。ひよこだから、これくらいしか出来ないのだからと自分に言い訳をする。ハンジさんの涙はしょっぱくて、私も悲しい気持ちになった。
    カチャリとその時音が響いて扉が開く。振り返ると私の予想通りの人の姿が見えた。
    「……ハンジ」
     リヴァイは小さく言うとハンジさんの近くまで来た。
    「起きろ」
    リヴァイがハンジさんの身体を揺すろうとするので、私はいつもハンジさんを連れて行かれてしまうのがくやしくて、思わず大きな声で
    「ぴよっ!!!」
    と鳴いた。振り返ったリヴァイは私に視線を向ける。
    「どうした、ひよこ豆?」
    『ハンジさんを連れて行かないで。いや、違う。ハンジさんを支えてあげて下さい。私には何も出来ないけど、あなたなら出来ることがある……と思う』
    言葉が通じるはずはないのに、私は必死に言った。
    「そうか、お前にも苦労をかけたな。ハンジは大丈夫だ。こいつが持ってる力はそう簡単に失われたりしねぇ。昔からそういう奴だ」
    なんだか物凄くマウントを取られた気がするが、
    「……りばい?」
    目を覚ましたハンジさんが、彼を呼んだ声が嬉しそうだったので、私はリヴァイを睨みつけるのをやめた。
    「ひよこ豆、長く部屋にお邪魔しちゃって悪かったね。また明日ね」
    ハンジさんに言われて、私は涙の味を思い出しながら、ハンジさんがこの後、よく眠れるように祈りつつ、二人の後ろ姿を見送った。

    それから何年かが過ぎたある日のことだった。私とコウは「話があるから」とハンジさんに団長室に連れて来られた。
    「我々はマーレに行くことになった」
    ハンジさんは、まっすぐに私達を見つめながら話し始めた。武力以外で世界と繋がる方法を探すため、他国の仲介者の力を借りて、ハンジさん達はマーレに潜入する計画を実行するという。
    「君たちをやっと故郷に帰してあげられるね」
    ハンジさんはそう言って私とコウに笑顔を向けた。マーレに一緒に連れて行ってくれるというのだ。もう帰ることなど叶わないと思っていた故郷に。でも私の心は複雑だった。確かに故郷に帰りたいと思う気持ちもある。でも、故郷は収容区だし、家族も殺されている。そして何よりひよこの姿のままである。このままマーレに帰るよりは、ずっとハンジさんの側にいたい。正直私はそんな気持ちだった。でもハンジさんは話を続けた。
    「今は私が君たちを守ってあげられるけど、いつまでもそうとは限らない。事態は常に大きく動いているから。マーレに行ったら、信頼できる人間に君たちを預ける予定だ。そこにいた方が安全だよ」
    隣にいるコウを見ると、コウも複雑な表情をしていた。きっと彼女も同じ気持ちなのだろう。
    「一緒にマーレに行こう」
    それでも、私達はハンジさんの誘いに頷くしか無かった。ここにいてもハンジさんのために出来ることはないどころか、迷惑になるだけである。それにハンジさんは私達のためにマーレに安全な場所を用意してくれるという。そこまでしてくれるハンジさんの優しさを無下にすることもできないと思った。

    マーレへは船での長旅であったが、港と街が見えてきた時、私は思わず涙が溢れた。やはり生まれ育った国は懐かしく、故郷の風景を再び見ることが出来たのは感慨深かった。
    私達は、ヒィズル国の人間のツテで事情を理解して協力してくれる農家の家に託されることになった。
    「よろしくね。ひよこ豆、こーぺん」
    農家の家の娘が私たちに笑いかけた。確かに平和な暮らしが約束されているようで、私達は安堵した。
    「じゃあ寂しいけど、元気でね」
    「元気でやれよ」
    ハンジさんとリヴァイとの別れの時だ。
    『ハンジさん、あなたのお陰で私は生き延びて、またマーレの地を踏むことができた。本当に感謝しています。ありがとうございました』
    私が深々と頭を下げると、ハンジさんは私の頭をなでてくれた。
    「またね、ひよこ豆、こーぺん」
    ハンジさんはそう言ったが、おそらくもう会うことはないだろう。私は飛べない羽をパタパタさせ、足を懸命に動かしてハンジさんの肩まで登った。そしてハンジさんの頬にクチバシで触れた。
    「え、お別れのキス?」
    言われた私は真赤になりながら、ハンジさんの肩から降りる。
    「ありがとう、ひよこ豆。じゃあ、私からも」
    ハンジさんは、私を優しく手で包むと私の頬に唇をあててくれた。
    王子様のキスでひよこは人間に戻りました、などという都合の良いことは起こらなかったけれど、私は幸せを噛み締めながら泣いた。

    それからの出来事は歴史の教科書通りだ。エレン・イェーガーにより地鳴らしが発動し、マーレの大部分が踏み潰された。
    私とコウは農家の飼い主に連れられて、地鳴らしの到達範囲外まで逃げることができ、命を失わずに済んだ。
    そして、地鳴らしがやんだ後、私達は元の人間の姿に戻ることが出来た。
    巨人の力が消えたためである。混沌とした地鳴らし後の世の中で、私は必死に生き延び、ハンジさんがどうなったのか、なんとか調べようとした。エレンを殺したアルミン・アルレルトらの大使渡航により、少しずつパラディ島の情報が入るようになったが、私がハンジさんについて知ることが出来たのは、地鳴らしから何年もが過ぎたころであった。
    ハンジさんが地鳴らしを止めるために一人戦ったというオディハの街を私は訪れる。
    「ハンジさん、あなたの理想とした世界。それが実現されているかは分かりません。でも、あなたのお陰で私は生きている。私も世界のために出来ることをします。いつも光り輝いていたあなたのように。ありがとう、大好きなハンジさん」
    私が花をたむけると、静かに風が吹き、ハンジさんがまた私を撫でてくれたような気がした。
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