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    kirche_is_dcst

    @kirche_is_dcst

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    千ゲ生産業。左右相手完全固定。千左固定。カプ固定だけど主人公総攻めの民なので千は全宇宙抱けるとは思ってる。逆はアレルギーなので自衛。
    基本フェチ強めのラブイチャ。ワンクッション置いてるけど時々カオスなものも飛び出します。
    受けの先天性・後天性にょた、にょたゆり、パラレル、年齢操作やWパロもあり。みさくら、♡喘ぎ多め。たまにゲがかわいそうなことに。(要注意案件はキャプションに書いてます)
    最近小説AIと遊んでます。
    一時期特殊性癖チャレンジをしてた関係で触手とかなんか色々アレなやつもあります。

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    kirche_is_dcst

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    にょたゆり学パロ千ゲシリーズ
    友達🐉🏹パート②

    #にょたゆり千ゲ
    nyotaYuri-chigae

    彼女のともだち②side-A

    「 ねぇ、羽京ちゃん!聴いて聴いて!」
    賑やかな声に顔を上げると、いつものクラスメイト。今日は、やけに機嫌がいい。
    少し離れた席に視線を向けて、ああ今日は部会の日だっけと脳内でスケジュールを確認した。いつも通り、パタパタと机の前に駆けてきた彼女は、しかしいつもとは違い、常のスキンシップをしてこない。
    ……どうしたのだろう。
    そう思って顔を上げると、ブラウスの襟で隠れるギリギリの部分に赤い痕が見えた。
    なるほど、そう言うことかと得心して、笑顔を向ける。
    「 はいはい、今日はどうしたの?またお茶して帰る?」
    今週は苺のデザートが新しく出るらしいし、チェックしてこうか。
    そう振ると、ゲンはキラキラと目を輝かせた。……苺は実際に彼女の好物だが、好きな理由は……まあお察しだ。
    今日も整えられたサイドの髪に、同じ色のヘアピンが留められている。
    はしゃぐ彼女を手招きして、そっと。
    「 ……あとね、ボタン、ちゃんと留めた方がいいよ。虫刺され、見えてる」
    そう囁いた。少し考えたあと、何の話をしているのかに思い当たったらしく。
    ゲンは真っ赤になって、慌ててボタンを留めた。
    「 ……バイヤー………… 」
    頭から湯気が出そうなほど羞恥に駆られている彼女を見て、……ああ、この場にもう一人がいなくて助かったな……と胸を撫で下ろす。こんなところを見られたら、視線だけで殺されかねない。
    ひとまず鞄を片付けて、羽京は席を立った。

     店に着くと、ゲンはいつもの席に陣取って。トレイいっぱいに苺のスイーツを並べていた。
    「 今日は俺の奢りだから、羽京ちゃんもいっぱい食べてね!」
    ……こんな華奢な身体のどこに入るのだろうと思うような量に、思わず圧倒されてしまった。ゲンは気にせず、幸せそうにスイーツを頬張っている。
    「 それで今日はどうしたの?……何かいいことあった?」
    ふいに水を向けると、驚いたようで。ゲンはげほげほと咽せて咳き込んだ。
    グラスに水を注いで差し出すと、一息にそれを煽る。
    ようやく落ち着いたらしく。
    ゲンは訥々と話し始めた。
    「 ……あのね……、せんくうちゃんが、……好きだって、言ってくれたの……ねぇ、うきょーちゃん……これ、夢じゃないよねぇ…… 」
    やはりと言うか、今更と言うか。
    やっとかと言う安堵感が胸を満たす。
    千空は、ゲンが他の女の子に触るのをよく思っていなかったし、ゲン自身も、千空に触れる口実にあんなことをしていたから、満たされたならわざわざ触れてこない。
    いつものスキンシップがなくなったのは、そのためだろう。
    おかしな感慨だが、何だか少し、寂しい気もした。
    「 うん、ちゃんと現実だよ。……おめでとう、ゲン」
    それはそれとして、友人の十数年来の恋が成就したことは喜ばしい。
    言葉に、ゲンは頬を染めながら、えへへ、と蕩けた笑みを浮かべた。
    「 ……ああ、でも 」
    「 うん?」
    「 目立つとこには痕つけるなってちゃんと言っときなよね 」
    笑顔でさらりと告げると、真っ赤になったあと、しゅうしゅうと音を立ててゲンが壊れた。両想いになったのなら、放課後の相談役もお役御免だろう。これまでの意趣返しと言うわけではないが、キラキラと恋をしている彼女が、あまりに可愛くて。
    少しだけ意地悪をしてしまったのは許してほしい。

     ……その後、交際に至るまでの顛末を本人から聴いて、良識派の羽京は頭を抱えるとともに、やっぱりツッコミ役は必要だなと胸に刻んだ。


    side-B

     ……どうにも、奴等を見ていると焦れったい。クラスメイトになってから、幾度となくそう思っていたが、連休明けの月曜日。
    一緒に登校してきた二人は、雰囲気が違っていた。
    普段なら賑やかなゲンと、どこかつっけんどんな千空、という組み合わせだが、いつもにも増して鉄面皮な千空の背中に隠れるようにして、ゲンが現れる。
    普段よりもじもじして、妙にしおらしい。
    ……ああ、なるほど。
    どうやら、ついに一線を越えたらしい。
    無表情を装っているが、独占欲が剥き出しで、いっそ清々しいばかりだ。
    あとでたっぷり惚気話でも聴かせてもらうとしよう。
    『欲しい』は正義だ。
    それに則って積年の想い人を見事に手に入れたと言うのなら、近く祝宴でも設けてやらねばなるまい。
    いっそ、気の早い新婚旅行代わりにどこかの別荘にでも招待するのもいいかもしれない。
    こちらも折に触れ、どう見ても相思相愛なのになかなか距離が縮まらない二人が気になっていただけに、無事に結ばれたことが喜ばしかった。
    授業が終わって。部会の帰りらしい千空を見かけて、声をかけた。
    「 ……なんだ、思ったより早く終わったのだな。貴様が部会で遅くなると言ったので、ゲンなら今日は羽京と帰ったぞ。……と、そう恨めしそうな顔をするな。俺のせいではないぞ」
    チッと舌打ちまでしてくる友人に肩をすくめて見せる。
    「 そう言うテメーは何でそこで待ってんだよ」
    「 なに、せっかくだから惚気話でも聴いてやろうかと思ってな 」
    「 あ"〜、なるほどな」
    千空は頷くと、部室の方に顎をしゃくった。
    「 ん 」
    つっけんどんに言って、千空はビーカーを差し出してくる。……焙煎した豆の匂いのする、黒い液体。
    「 そこの薬品棚に砂糖とミルクあるから適当に使え」
    龍水は勝手知ったる様子で薬品棚を漁ると、ビーカーに砂糖とミルクを加えた。
    「 まずは勝確とは言え、姫君を射止めたことを祝ってやろう!近々記念パーティでも催すか!」
    「 あ"〜、いいわそういうのは」
    「 そうか!ならばまた別のものを考えるとしよう!……ところで、恋愛に関してはまるでポンコツな貴様が、どうやって交際に持ち込んだ?是非、武勇伝を聞かせて欲しいものだな!」
    バシバシと背を叩きながら笑顔で問いかけると、千空はひとこと。
    「 武勇伝なんざねぇわ」
    そう言い切ったあと。
    「 自分からは触ってくるくせにひらひら逃げやがるから、イラッと来て押し倒しただけだ」
    淡々とそう続けた。
    ……うわあ。思っていた以上のポンコツぶりに、内心頭を抱える。
    「 んで、告白して、ゲンの方も俺のこと好きだっつーから、そのままセックスした。そんだけだ」
    特にテメーの興味を唆るようなおもしれーエピソードなんざねぇよ。
    あえてさらりとこともなさげに言うのは、詳細を想像されたくないからだ。
    加えて、関係を明示しておけば横槍は防げると言う予防線。
    それも、こちらが口外しないことまで見越してのことだろう。
    しかし、これはまた随分と一足飛びをしたものだ。
    まあ、ここまでひたすらに焦れったく、すれ違って拗れていたのだから、そのくらいでないと関係は進展しなかったのかもしれない。
    どちらにしても、手段はどうあれ、関係を変えようと踏み出した友人の勇気は評価したかった。
    「 結婚式には呼んでくれ。……いや、寧ろ七海財閥がバックアップして最高の式にしてやろう!新婚旅行はあれか?月にでも行くか?費用は俺の祝儀から賄うがいい!無論、シャトルもくれてやる」
    「 でけーよ、話が…… 」
    そう言って呆れたような、げんなりしたような表情を浮かべながらも、ほんの一瞬。
    「 けどまあ、おありがてぇわ」
    テメーにも色々世話かけたしな、などと言いながら、千空はくしゃりと年相応の笑みを浮かべた。
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