よすがの星 自分の身に降りかかる火の粉を、ひとつも拂おうともしない。いつだって誰かのために、黙ってその身を焦がす。尊敬している仲間の一人。
「フェイスやアッシュは、あなたのことも問い質しに来たのだろう」
司令室のソファに腰かけたブラッドさんの視線は、手元の書類に落とされたままだった。何のことかは確かめるまでもない。
行方のわからないオスカーさんを、誰もが心配していた。きっと、目の前のこの人だって。
確かに彼らは直訴しに来た。ブラッドさんでは話にならないと顔を顰めながら。
オスカーの行方は。捜索状況は。特別チームを発足するなら俺もメンバーに入れろ。
彼らの訴えは尤もだった。大切な仲間が姿を消し、一人だけ帰ってこない。連絡も取れない。
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