黄昏の啓護さんを待っている間に寝てしまったのか、今自分は夢を見ているようだ。
夢、と認識できるのは今まで家にいたのが外にいるからだ、としか言いようがない。
鮮やかな夕日に照らされた今時少し珍しい赤茶色をした石畳。木々は綺麗に手入れをされ微かに鳥の囀ずりも聞こえる。とても綺麗な、何処か外国のような雰囲気の場所。
それにしても、此処は何処なのだろう。記憶が正しければ僕は此処…大きな噴水がある公園?広場に来た記憶も何かの雑誌やテレビなどの媒体でも見たことがない。
大きな噴水はキラキラと夕日を浴びて大きな音をたてながら水を流し、その存在を主張していた。
少し近くに行ってみようか…
先程から座っていた茶色の、何処の公園にもありそうな木で出来たベンチから立ち上がり噴水へと近づく。近づくにつれその噴水の大きさが見ているより大きい事に気づく。
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