本当の強者「じーちゃーーーん!」
「おぉダイ!よくきたのぉ」
ここはモンスターの島とも呼ばれている、デルムリン島である。
じいちゃんと呼ばれたきめんどうしは、体躯の半分を占めるであろう顔に喜色を浮かべ、少年を迎え入れる。
「ブラス老、ご無沙汰をしております」
ラーハルトから籠を受け取りながら、今日もエエ声なバランが挨拶をする。誠に深くて渋いエエ声である。
「ソアラから土産を預かって参りました。島のみなでお召し上がりください」
常夏のように寒い時期のないデルムリン島では収穫できぬ苺が、籠いっぱいに入っているようだ。甘酸っぱい香りがそこらに広がっている。
ダイはいつの間にか島のモンスターたちと遊び始めている。こどもなんてそんなものだ。
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