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    chiepu

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    ワタシの脳内で幸せに暮らす、竜親子のお話第2弾です

    本当の強者「じーちゃーーーん!」
    「おぉダイ!よくきたのぉ」

    ここはモンスターの島とも呼ばれている、デルムリン島である。
    じいちゃんと呼ばれたきめんどうしは、体躯の半分を占めるであろう顔に喜色を浮かべ、少年を迎え入れる。

    「ブラス老、ご無沙汰をしております」

    ラーハルトから籠を受け取りながら、今日もエエ声なバランが挨拶をする。誠に深くて渋いエエ声である。

    「ソアラから土産を預かって参りました。島のみなでお召し上がりください」

    常夏のように寒い時期のないデルムリン島では収穫できぬ苺が、籠いっぱいに入っているようだ。甘酸っぱい香りがそこらに広がっている。

    ダイはいつの間にか島のモンスターたちと遊び始めている。こどもなんてそんなものだ。
    バランとラーハルトは、ブラスから幼少期のダイの話を根ほり葉ほり聞いては

    「あんな手違いがなければ、手元でそのころのカワイイディーノを育てることができたのに」

    という想いと、

    「ブラス老が拾い、育ててくれたからこそ、今のディーノがある。感謝せねばならんな」

    という想いを馳せながら、ダイを見つめるバランとラーハルトなのであった、


    一方そのころ

    「ディーノや、じぃじだよ!」

    と、小高い丘の上にある家の扉をたたいたのは、アルキードの国王である。

    「あら、お父様。何しにいらしたの?」

    優雅でやわらかい笑顔をしながらも、絶対零度の空気を醸し出すソアラが対応した。
    一瞬で顔色を無くした王は、しどろもどろになりながらも

    「いや……あの……ワシね、孫の顔が見たいというか……」
    「へぇ…………」

    確実に部屋の気温が下がった。

    「自分勝手にディーノを私たちから取り上げて船が難破したと知ってもろくに捜索もせずその父親であるバランを殺そうとした挙句に彼が竜の騎士だとわかったとたん手のひらを返して媚びを売りディーノがようやく見つかった今になってかわいい孫とかいうんですね、ふぅ~~~~~~~~~~~ん」
    「やめて!ワンブレスはやめて!!64拍くらいあるふぅ~んもやめて!!」

    アルキード王は普段の威厳などかなぐり捨てて、綺麗な土下座をしている。

    「あの人は優しい人ですし、結果として傷一つ負わずに済んだし、ディーノも見つかったらからと、過去を水に流してもいいと言っています」
    「じゃ……」
    「けど、それじゃわたくしの気持ちはおさまりませんのよ、お父様」

    後にアルキード王は

    「あの時のソアラであれば、大魔王バーンですらひれ伏したであろう」

    と語る。
    アルキード王がダイに「じぃじ」と呼ばれる日は、まだまだ先のようである。
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