800字小説練習(SB69) 喫茶アンゼリカのカウンター席にて、ほかほかとクロウの前で湯気立つホットミルク。その隣の席ではシアンが温度差としては正反対であるストロベリー味のクッキー&クリームのアイスを頬張っている。
シアンの目は機嫌良く細められ、気分だけでなくまつ毛まで上を向いているように見えた。
美味そうに食う奴だと、頬杖を突きながら微笑ましく見つめる。
「あれ、クロウちゃん。もしかして一口欲しいにゃ?」
彼女を見ていた事は別にこそこそ隠す必要もないので、別にバレても問題はない。
可愛らしいシアンを眺めていただけなのだが、シアンからすればアイスを物欲しそうに見つめているように映ったらしい。
「じゃ、はいあーん」
「んな小っ恥ずかしい事出来るかよ!」
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