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    a_poly22

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    a_poly22

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    krymパロディ与太話

    俺は皋所縁! この春からこの伝統あるムサシ高校の一年生だ!
     さて、今日はどうやら新入生向けにそれぞれの部活が勧誘をしている日ということで、いろんな部活の部室が解放されている。紹介冊子を眺めていたらクラヤミ部という謎の部活がなぜかとても気になってしまったので、まずはクラヤミ部の部室に行ってみようと思う!

     クラヤミ部の部室の前に来た。なぜか校舎の中でも一段と寂れた場所にあってなかなか探すのに苦労したが無事に見つかってよかった! 早速ドアをノックし入室した。
    「……失礼します」
     中に入ると、学ランには似合わない淡い長髪をゆるく括った美人と、眼鏡をかけて本を読んでいる男がいた。
    「おや! 新入生ですよ、萬燈くん!」
    「ああ、そうみたいだな」
     美人のほうがキャッキャッと声を上げる。
    「新入生くん、ようこそクラヤミ部へ! 私は部長の昏見と言います。以後お見知りおきを。ささ、早速ですがこの入部書類にお名前を」
    「いや、まだ入部すると決めたわけではないんですけど……」
    「やや、そうですか。ところで新入生くん、その髪型お馬さんのしっぽみたいで素敵ですね! うーん、新入生くんのことはこれからポニーちゃんと呼びましょうか」
    「……は? 俺には皋所縁という名前があるんですが」
    「ポニーちゃんって可愛いじゃありませんか。所縁くんにぴったりだと思いますけど」
    「おい昏見、新入生が困っているだろう。その辺にしといてやれ」
     萬燈と呼ばれていた男が止めてくれて助かった。一度呼吸を落ち着けて、部室を見渡す。部長だという昏見と萬燈以外には誰もいない。壁にはびっしり詰められた本棚がいっぱいに並んでおり、昏見と萬燈は学校の部室には到底似合わないいかにも高級そうな革張りのソファーに座っていた。二人の間には細やかな細工が施されたローテーブルがあり、この空間だけはどこかの立派な屋敷の一室だと言われてもおかしくないような雰囲気があった。
    「他の部員ってどこにいるんですか?」
     とりあえず気になることを訊いてみた。
    「悲しいことにクラヤミ部は私と萬燈くんの二人しかいないんです。私たち二人とも三年生なので新入生がいないと廃部の危機だったのでポニーちゃんが来てくれて助かりました!」
    「いやだから入部するとは決めてないんですが。それに備品というかいろいろやけに豪華なのはなんでですか」
    「ああ、ちょっとああしてこうしてみたらこんなふうになりましてね。他の部と比べても一段と過ごしやすい部室環境を提供できますよ、ささ入部届にお名前を」
    「いやだから(以下略)


    ~~~~~~~~~~~~~
    @卒業式

    「今日でこの学校ともお別れですねえ」
     昏見がどことなく寂しげに笑う。
    「とりあえずは顧問の先生の弱m、おっと間違えました、顧問の先生にお願いして来年もクラヤミ部が存続できるようにはしましたし、ポニーちゃんは頑張って新入生を探してくださいね」
     そう言いながら、昏見はポケットから何かを取り出してこちらへ渡してきた。横から萬燈も手を伸ばして同じように俺の手のひらへ何かを押し付けた。
    「これは?」
    「ふふ、第二ボタンですよ。我々は人気者ですから、これを死守するのに苦労しました」
    「まあ、餞別ではないがそんなもんだ。来年も精々頑張ってくれよ、後輩」
     ……少し泣いた。


    ~~~~~~~~~~~~~~
    @皋二年生春

     今日から新学期だ。先輩たちも卒業してしまったけれど、なんとか頑張って新入部員を見つけたい! そう意気込んで部室のドアを開けた。
    「おや! ポニーちゃんこんにちは!」
    「おう、久しぶりだな、後輩」
     卒業したはずの先輩たちの姿が見えたような気がして、とりあえずドアを一度閉じた。うん、少し感傷的になってしまった心が見せた幻覚だ。そうに違いない。一人で考え込んでいると、内側からドアが開いた。
    「もう、ポニーちゃんったらいきなり閉めることはないじゃないですか」
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    a_poly22

    MOURNINGkrymパロディ与太話俺は皋所縁! この春からこの伝統あるムサシ高校の一年生だ!
     さて、今日はどうやら新入生向けにそれぞれの部活が勧誘をしている日ということで、いろんな部活の部室が解放されている。紹介冊子を眺めていたらクラヤミ部という謎の部活がなぜかとても気になってしまったので、まずはクラヤミ部の部室に行ってみようと思う!

     クラヤミ部の部室の前に来た。なぜか校舎の中でも一段と寂れた場所にあってなかなか探すのに苦労したが無事に見つかってよかった! 早速ドアをノックし入室した。
    「……失礼します」
     中に入ると、学ランには似合わない淡い長髪をゆるく括った美人と、眼鏡をかけて本を読んでいる男がいた。
    「おや! 新入生ですよ、萬燈くん!」
    「ああ、そうみたいだな」
     美人のほうがキャッキャッと声を上げる。
    「新入生くん、ようこそクラヤミ部へ! 私は部長の昏見と言います。以後お見知りおきを。ささ、早速ですがこの入部書類にお名前を」
    「いや、まだ入部すると決めたわけではないんですけど……」
    「やや、そうですか。ところで新入生くん、その髪型お馬さんのしっぽみたいで素敵ですね! うーん、新入生くんのことはこれからポニ 1634

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