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    花月ゆき

    @yuki_bluesky

    20↑(成人済み)。赤安大好き。
    アニメ放送日もしくは本誌発売日以降にネタバレすることがあります。

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    花月ゆき

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    何でも許せる方向け

    赤井さん視点⇒ https://poipiku.com/1436391/9688229.html

    #赤安

    さよならのあと(降谷Side) 潜ることになった。
     新しい名前をもうひとつ。電話番号もメールアドレスも何もかも変えて。違う世界へ旅立たなくてはいけなくなった。
     赤井には何も言わずに。たったひとりで。
     素直になれず。一度も愛してると言えないまま。さよならが先に訪れた。
     赤井と一緒に住んでいたアパート。自分が住んでいた痕跡をすべて消した。最後に残ったのは、赤井と一緒に使っていたプライベート用のノートパソコン。自分の使っていた跡をすべて消去したあと、ふと未練が溢れ出す。
     降谷は静かにキーを叩き続け、朝陽が部屋を照らす前に、静かに家を出た。

     あれから一年。
     降谷は潜入先にいた。古びた倉庫。もうすぐ裏取引の相手が現れる。
     あの日から季節は一巡りして、再び冬が訪れた。あの日のことを、降谷は一度も忘れたことがない。
     ノートパソコンに残した最後の“愛している”。
     今日の零時。赤井があのパソコンを開いていれば、自分の想いは届くだろう。メッセージが現れるのは、たった三分。時間が過ぎれば、跡形もなく消え去ってしまう。自分の想いも。赤井との思い出も。
     零時五分。取引相手が訪れる時間。考えるのは、赤井のことばかり。
     赤井は見ただろうか。いや、きっと見ていないだろう。知るすべのない答えを交互に思い浮かべては、降谷は胸を高鳴らせる。自分をこんな気持ちにさせるのは、これまでもこれからも赤井だけ。
     ふとスマホが鳴った。予定が変わっただろうか。画面を覗き込むと、見知らぬアドレスから、“もうすぐ逢いに行く”とメッセージ。
     倉庫の扉が開く。降谷は目を見開いた。
     赤井に残した最後の“愛している”。

     ――あなたを愛しています。今すぐあなたに逢いたい。

    「俺もだよ、降谷君」
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    にゃろまぐ

    PASTスモバお題「僕の番犬」でした!読んでくださった方ありがとうございます。べったーが調子悪いので、移植しておきます。
    ライ🐕のお耳とお尻尾がうつっちゃう💦 ──だめですよ、マダム。この男は僕の番犬ですので。

     そう言って、パーティー会場中の女性の視線をほしいままにしていた寡黙な色男のネクタイをぞんざいに引き、話を遮ったのは、これまた美しい青年でした。
     ネクタイを引かれた男は長い黒髪と涼やかな目元、グリーンアイズが印象的。背が高く、黒のタキシードの上からでも分かる逞しい身体つき、ひりつくような冷めた眼差しが、内にどんな荒々しい雄を秘めているのかとめくるめく想像を起こさせる。
     対して、ネクタイを引いた男は、みずみずしいキャラメル色の肌、光を纏う美しい髪、大きな瞳と甘い垂れ目、つんとした果実を思わせる唇は少女のような愛くるしさ。なのに、青年ならではの凛々しさがぴりりとスパイスとなり、たった一瞬で無慈悲なほどに心を攫う。白い手袋に包まれた手で男の礼節の象徴を無造作に掴む手つきたるや、まるで言葉通り飼い犬のリードを引くようですが、その若さと美貌の前ではどんな辛辣な台詞も愛らしい戯言に、不遜な態度も魅惑的な奔放さに変えてしまう。ゆえに、彼のたった一言の台詞、そして若き主人の執着を当然のように受け入れて見せた色男の沈黙によって、彼らに注がれる視線は異様な熱を帯びました。
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