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    花月ゆき

    @yuki_bluesky

    20↑(成人済み)。赤安(コナン)、虎兎(タイバニ)、銀神(銀魂)、ヴィク勇(YOI)好きです。アニメ放送日もしくは本誌発売日以降にネタバレすることがあります。

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    花月ゆき

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    https://poipiku.com/1436391/9684930.html の赤井さん視点です。

    #赤安

    さよならのあと(赤井Side) きっと彼は、潜るのだろう。
     本人も、他の人間も、誰も気づいていない。だが、自分にはわかる。降谷の表情も、行動も、ある日を境に変わってしまったと。
     降谷の自分を見る目が変わった。思い出を目に焼きつけるように。降谷が自分を見る。まるで、もう二度と逢えなくなる人間を見るように。
     降谷と一緒に住んでいるアパート。変化にはすぐ気づいた。違和感を覚えさせないように、彼が少しずつ自身の持ち物を消していく。
     そして、彼がこの世界を発つ日。彼は自身の痕跡をすべて消し去った。
     今すぐにでも起き上がって、彼を引き留めたい。その想いを堪えて、眠ったフリをし続けた。
     小さく聞こえるのは、ノートパソコンのキーを叩く音。この音が止めば、きっと彼はいなくなってしまう。
     タッチ音が奏でる、不器用な別れの曲。それでも、彼がまだここにいるという証が胸にしみた。
     玄関の扉が開く。息が止まる想いがする。しばらくの間のあと、静かに閉まった。
     彼のいない寝室は、暗くて冷たい。起き上がり、寝室を出て、彼が最後に触れていたノートパソコンの前に座る。電源を入れて、彼の残した最後の痕跡を探る。さすが、降谷だ。うまく隠してある。だが、このまま逃すつもりはない。
     朝陽が部屋を照らす頃。赤井は降谷の残したメッセージに辿り着いた。
     一年後の零時。メッセージが現れるのは、たった三分。たった三分だ。
     自分が見ることを見越して、このメッセージを残したとは思えない。すべて、天に運を投げたのだろう。
     それならば自分は――天を味方につけるまで。

     天は、すべてを見ていた。
     泣きだした降谷を、そっと抱きしめる。一年越しのアイラブユー。
     彼の美しい金色が滲んで見える。彼に隠れて、一滴、赤井は想いを零した。
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    花月ゆき

    DONE秀零の日。
    記憶喪失&身体だけ縮んだ赤安(中学生)が、工藤邸に一緒に住んでいる設定(たまにコナン君が遊びに来る)です。
    ①https://poipiku.com/1436391/9417680.html
    ⑤https://poipiku.com/1436391/9895567.html
    記憶は心の底に④コナンSide

     一月十日。コナンは阿笠邸を訪れていた。目的は、赤井と降谷の解毒薬の進捗を聞くためだ。
    「……30%ってところかしらね」
    「……そうか。やっぱり、俺たちが飲まされた薬とは違うのか?」
    「ええ。成分は似ているけれど、同じものではなさそうよ。ああ、それから、薬によって記憶が失われたどうかはまだわからないわ」
     赤井と降谷は毒薬によって身体が縮み、今は中学生として日常を送っている。
     身体は健康そのものだが、なぜ、FBIとして、公安として、職務に復帰できないか。それは、二人が大人だった頃の記憶を失くしているからだ。
     コナンの脳裏には、“あの日”の光景がよみがえっていた。
     今すぐにでも倒壊しそうなビルの中。炎と煙で視界を遮られながらも、赤井と降谷とコナンは、組織が残したとされる機密データを探していた。このデータさえ手に入れることができれば、組織壊滅のための大きな足掛かりになる。なんとしてでも、この場で手に入れておきたいデータだった。
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