久しぶりにタケミっちの発言にキレた。
”財布”に”ATM”?なんだよタケミっち。俺はお前専属のバンキングだってこと理解してたんだな……。俺はお前の預金残高∞のバンキングだよ!!!
ライフラインの要を握られている事を理解してるなんて、賢いよ、タケミっち、賢い!
だがその前に言ったのが頂けない。
『ヒナは……、ヒナなら一緒に行ってくれた!ヒナとすごした方が楽しかったぁ!!』
なんで元カノの名前出すの?ヒナちゃんは確かに何処にでもついて行って、一緒にいっぱい遊んだだろうけど、もう俺たち大人になったんだ。タケミっに何不自由ない暮らしをさせたくて頑張っているのに……。俺の立場的にそういう場所に行けないの、分かってるじゃん。
なんで中学で少し付き合ったくらいの女の名前出して比べるの?こんなにタケミっちを思って色々してるのに。
この瞬間、タケミっちの存在が憎いものに変わった。
可愛さ余って憎さ百倍、いや、万倍所じゃない。
オモチャが有れば突発的に撃ってたかもしれないくらいに憎々しい。
怒りに任せ、三途に連れていかせた。
「お前ら、後のことは任せたら」
この【任せた】はタケミっちのことも含め、である。
確かに風俗になんて入れたが三途もそこはちゃんと心得ている。
反省の為に寮という名の独房に入れ、リアリティを持たせるために研修と体験くらいで引き上げる予定った。
予定は未定とよく言ったものだ……。
幹部からサツに寝返ったのか、元からサツだったのかソイツの始末が急遽必要になる。
梵天でのさらなる昇進をチラつかせ、国外に連れ出した。
本来こんな仕事はしないが、最近ブツの横領をし梵天の名前で調子に乗ったマフィアの粛清も兼ねてだ。
集まった面々の眼前で、ジリジリと生けず殺さずを3週間。
最後は発狂した。もっと早くに死んでくれたら良かったのに。頑丈というのも欠点だ。
梵天がどういう存在かを理解したバカは今回の横領、不祥事のスケープゴート探しに奔走し、それが無理と分かると逃走。
勿論逃げれるはずも無く、全然粛清。次に目をつけていたギャングにマフィアをそのまま譲渡。ギャングの悪い所は無駄に欲深い所だ。きっちり躾をしておく。
そうこうして気付けばもうすぐ2ヶ月だ。
流石にタケミっちに会いたくなる。
『マイキーくん、お仕事頑張ったらご褒美あげますからね』
その言葉だけで頑張れる。
帰国の飛行機の中「帰ったら定番だけど、タケミっちと新婚さんプレイしてもらおっ!」と期待に胸を膨らませ、会議室で大乱闘した。
なんで、誰もタケミっち迎えに行ってないんだ?
特に三途テメェなんできっちり仕事してねぇんだ!!
汚れたタケミっちとか解釈違いすぎる。
初見ちんこを演技でも喜んで握ったり、銜えちゃうタケミっちとか……解釈……解釈……違いという程でもないかもしれない。
性に奔放なタケミっち……ありだ。問題は他の男と寝た部分……。そこを受け入れられるかが分からない……。ちんこ狂いのクソビッチは解釈違いで無理だ。
しばらく暴れれば落ち着く。三途の話を聞くとどうやら特殊な店らしい。
1人でタケビッチの可能性について脳内会議をくり広げた結果、タケミっちがタケビッチになったのか。なっていないのかの様子を見て今後を決めることにした。
そうして、24時間の監視がスタートした。
全然似合ってない女装をさせられ、入客するタケミっち。似合ってないところが可愛い。
予約のほぼ全てをケンチンたち総出で埋めた。一部埋められなかったのは、タケミっちをずっと指名している客。事前に予約を取っているのだ。数週間後の予約をするとか美容室かなんかかよ。
恋人の性風俗姿を見るのは辛い。何をしてるのかを見て、今後のタケミっちとの生活が決まる。ヤク漬けになるか、今まで通りかの2択に……。
緊張しっつ、観察した結果めちゃくちゃ楽しそうだった。
ゲームをして、話して楽しそうだ。汚いジョイスティックを握って操作するゲームとか、ピロートーク的な会話じゃなく、本当に友達と話しているようだった。
クソ灰谷兄弟以外の梵天メンバーやほぼ全員が話して終わっていた。たった1人、ドMな男はオナニーを見てもらい、その様子を実況してもらうという特殊プレイをしていた。
ケンチンも楽しそうに話している。ずるい。
「ケンチン、タケミっちと話しすぎ。次にしたらシベリア行ってもらうから!」
「んでだよ!!お前が見張りっていってたんだろ!!」
場地も一緒に動画見るとか羨ましい。
「バジ、次タケミっち膝に乗せたらお前んとこのペットショプの動物丸刈りにすっから」
「小さい命になんでことすんだ!!血も涙もないのかマイキー……?!」
反社が命を語るな。
灰谷蘭と竜胆何触ってんだ?!俺以外がタケミっちに触るな!!
「灰谷達はどうやって死にてぇ?」
「蘭ちゃんのジョークじゃん、性風俗だしそれっぽくした方がタケミチ反省するかなーって思って♡」
「兄ちゃんがしろって言った!」
「竜胆も乗り気だったぞマイキー!兄貴売ってんじゃねぇー!罪被んのが弟の役目だろ!」
「知らねーよ!」
無言の圧をかける。
「とりあえず……マイキー……」
「「俺らカニ漁行ってくるんで、それで勘弁してください」」
俺もタケミっちと話したい。もう3ヶ月近くタケミっちと会話してない。
一番気になるのは、こんなに梵天メンバーが訪れているのに、1度も俺の名前が出ないこと……。
『マイキーくんにごめんねって伝えてください』とか『マイキーくんは元気にしてますか?』とか『マイキーくんに会いたい』とかあっても良くないか?!