「俺、女の子とエッチしないまま死んじゃうのやだな……」
　その一言で、タケミチは地獄を見ることとなる。
　時間を遡ること数日前。梵天に囲われているタケミチは処女を失い、童貞は保守している現状をふと自覚した。
　なんだか、悲しいな……。男としての機能を少々失いつつあるが、それでも1度はオナホではない場所に入れたい。なんなら梵天の誰かのケツでもいいから童貞捨てたい。絶対誰も貸してくれないけど。そんなくだらないことを考えて、うっかりこぼれたただの独り言だった。
　それを聞いていたのがマイキーなら、そんなこと考えないよう躾られ、ドラケンと三ツ谷なら女を用意して、不能である事を理解させたれただろう。
　しかし、それを聞いていたのが灰谷兄弟だったのが運の尽き。蘭も竜胆もタケミチの願いを叶えてやる事にした。
　そうして、灰谷兄弟の順番が巡ってきた週。
「タケミチちょっと待ってて」
「兄貴と俺でタケミチにサプライズ！」
「え、サプライズする前にネタバレするんすか？！
待って、嫌な予感しかしない……！！他の人にサプライズして上げてください……！！！」
「逃げたらゲロって気絶するまで殴る」
　にっこり人の良い笑顔の蘭はタケミチに釘を刺してから、寝室の横に作られた浴室へ消えていった
　そのままタケミチは待つしかない。落ち着かない気持ちを沈めるため、ブランデーを煽る。
「タケミチ～？逃げた？ぶっ殺すぞ」
「すぐ来ないとマジボコだぞ」
「いますから！行きますから……！」
　ドアを開け、タケミチは視覚の暴力団に晒された。
　目の前にいたのは紛れもなく灰谷兄弟だが、姿が恐ろしいことになっている。
　どう見ても、女性物の下着を身につけていた。蘭はベビードール。薄い透け感ある黒のチュール生地、それに色とりどりの花の刺繍が彩る。パンツの布面が花のレースの形だけという、とても局所的でレースの上部と下部からヒョロっと出ている2箇所の紐で下半身に固定されている。それ、パンツの意味ある？とタケミチは情緒もなく聞いてしまうような代物である。実際、モロに蘭の蘭。下着に収まらないとならない具が出てる。可憐な下着からやべーのが出てるんですが？！とタケミチの心の中は大荒れである。
　竜胆の方は蘭とは違いレースの量が大変多い代物だ。クリーム色のレースに白い細かな刺繍が所々に入っている。パンツもレースが全体を覆い、可愛い代物といえる。
　本当にたっぷり使用され、ガーターベルトのセットだ。こちらもりの竜胆がバッチリ出ている。女性物の下着、しかも面積小。そんなモノに蘭も竜胆め収まるわけないのだ。
「兄ちゃんくい込んで痛てぇ」
「だな。でもタケミチがして欲しいって言うから仕方ねーよ」
　相変わらずヘラヘラと2人が笑う。
「い、言ってないです……。俺、女装して欲しいなんて……」
　タケミチの声は震えていた。この後の恐ろしい展開も予想され、体まで震える。
「えー？蘭ちゃん聞いたけどなぁ～？タケミチ、女の子とエッチしたい♡って。なぁ？」
「そうそう、だから俺らが美人双子姉妹（仮）として、エッチしてやろうと思って準備してやったんだろ？」
　ジリジリ寄ってくる2人の凄まじいプレッシャーにタケミチは半泣きになる。逃げる選択もあるが、タケミチは逃げればもっと酷いことになるのを知っている。
「いや……、やめて……。蘭くん……竜胆くんやめて」
「タケミチ『ありがとうございます。ランちゃん♡リンちゃん♡』だろ？」
「とっととこっち来てケツだせ」
「やっ……やだぁー！！！」
　その後、タケミチは可憐な下着から出た大蛇を舐めたり咥えたり「ずらしハメとかエッチな夢叶ったな♡」「女の子（風）と生ハメできて良かったな♡」とドロドロになり、ベッドの上で言わた。

後日、蘭の下着姿とそれに御奉仕している写真と竜胆の下着姿と駅弁されている写真が意図的な流出をされ、「タケミっちってこいうの好きなんだ……？俺もしてあげようか？」と各方面から尋ねられ、泣きながら否定したのである。