Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    94yakanai

    @94yakanai

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji ❄ 🐆 💖 🎉
    POIPOI 11

    94yakanai

    ☆quiet follow

    いちゃいちゃおしゃべりドフ鰐
    なんかのお話につっこもーと思ってたけど、使わなそーなのでアップ!
    「自分には幸せとか似合わねぇな」とか思ってるドフ鰐が、気がついてないだけで実は幸せの中にいるやつ好き。うーん説明しづらい・・・

     カジノ経営時より取引のある男が結婚するらしい。式の招待状を寄越してきた。幸せそうな男女が写る紙切れに、クロコダイルは心底どうでもよいという顔をして目を通す。印字された定型句、日時場所、招待状の下の方に『私達の記念すべき日を是非貴方に祝福して頂きたいです。』とペンで付け足されている。手書きの文字は書き手の浮かれた心を表すように落ち着きがない。

    「海賊に祝福されて嬉しいのか……」
     クロコダイルが祝いの席に相応しくない身分であることは先方もよく知っているはずだ。送り主のパートナー、写真の女は大人しそうに笑っている。堅気にしか見えないが、商人の嫁となると案外肝が据わっていたりするのだろうか。
     困惑しつつスケジュールを確認する。偶然にもその日の前後はぽっかりと空いていて、「最悪だ」とクロコダイルは独りごちた。


    「あ、その日空いてんのか」

     ひょいと手帳が上へ逃げた。クロコダイルは取り返そうと手を上げる。
    「おい動くなデスク」
    「偶然、おれもその辺空いてるぜ。こりゃデートだな」
     背後から腕がまわり自分より高い体温と密着した。背もたれにしていた厚い胸板が嬉しそうな笑い声と共に揺れる。

    「たった今仕事が出来たところだ」
    「で、キャンセルするところ。フフフ…!二流商人のパーティより、おれと過ごした方が有益だぜ」
    「……」

     片手に持っていた招待状をベッドへ放って、クロコダイルを覗き込むように笑いかけてきた。確かに祝いの席よりマシかもしれないが、ドフラミンゴが利益云々の話を出してきた時、決断を早めて飛びつけば大抵高くつくのだ。それが損かどうかはさておき、精神的にも肉体的にも削られたことがクロコダイルには多々あった。
     ともかく一度考える必要がある。退屈な仕事だ。
     だが、例えば。無骨で派手さのない部下の身なりを飾り立ててみるのはどうか。思えば彼を連れての航海はまだ日が浅く、ドレスコードのある場に出す機会は少なかった。故に有り合わせであったり適当に調達した物を宛てがっていたのだが、今なら式を口実に遊べるのではーーー。


    「なーァ、クロコダイル。お前に選ぶ時間をやると、そうやって仕事を仕事と割り切らねェで楽しみを見つけちまうから嫌なんだ。
     簡単な事だろ。退屈な付き合いをたった1回パスして、ベッドで放っておかれて拗ねてる恋人のお願いを聞く。…な?クロコダイル」

     なぁ、お願い。ふわり頭に重みと軽いリップ音を感じて、クロコダイルは思案していたあれこれをゴミ箱に捨てた。しかしながら、ドフラミンゴに絆されたなんて思われたくはない。変なプライドが取り繕って、ふん、と呆れて鼻を鳴らすような態度をとるが、是とも非とも言わない沈黙の意味は、かえってありありとドフラミンゴに伝わった。
     背後からクロコダイルをぎゅうと抱いたドフラミンゴは、鼻歌でも歌い出しそうなご機嫌でスケジュールに大きく『デート♡』と書いた。ハートの内側に自身の海賊旗のマークを書き足しながら、ふと思い出したように言う。

    「こいつ何度かお前の店で見たぜ。若手の実業家だとか何とか」
    「まぁそうだな。我が社の未来に多くご投資頂いた」
    「フフ、金だけで済んで良かったなァ。こっちは『お幸せに』っと、これでいいだろ」

     描き込みに満足したドフラミンゴはクロコダイルの脚にスケジュールを置く。そして、ベッドに放られていた招待状を手繰り寄せサラサラとペンを滑らせた。スケジュールの開いたページの、乾ききっていないインクをクロコダイルはぼんやりと見つめる。

    「お幸せに?・・・皮肉と思われそうだな」
    「お前そういうの言わなそうだしな。ま、大丈夫だろ。向こうは浮かれてて気がつかねェ。んなことよりデート、どこ行く?何食う?」
    「遠出はしない。あとは任せる」
    「ok.迎えに行くからちゃんと空けとけよ」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤❤❤❤👍👏👍💒💒💗💒💯😍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    94yakanai

    DOODLE素晴らしいドフラミンゴさんをお見かけしたので眠ってたおしゃべりドフ鰐メモを引っ張り出すなどする 
    ⚠️あおはるネタ⚠️
    あおはるドフ鰐ちゃんがバイク二人乗りする話
    そのうち夜の海デートとか行って欲しい
    「ワニやろーこっち!迎えに来たぜ」
    「・・・・・・・・・?それに乗んのか・・・・・・?」
    「家の車、今使ってるらしくて出せねぇっつぅから。後ろ乗ってくれ」

     そろそろ着くと連絡があってから数分、本屋で時間を潰していたクロコダイルのスマホに「店の前」とメッセージが届く。「いまいく」。慣れないフリック入力で返事をして会計を済ませ店を出ると、ヘルメットをふたつ抱えたドフラミンゴがバイクに寄りかかって、こちらに手を振っていた。

    「はい、これお前のメット。二人乗りした事あるか?」
    「無い」
    「だろうな。まぁ安全運転で行くから大丈夫だぜ」
    「・・・・・・あぁ・・・」

     ドフラミンゴのバイクは何度か写真で見せられた事があるので、持っていることは知っていたが、乗っているところを見るのは初めてだった。てっきり普段のように、運転手付きのドンキホーテ家の車が停まっているとばかり思っていたクロコダイルは、驚きで目を丸くして固まった。渡されるがままヘルメットを受け取って被り、ドフラミンゴが留め具をロックした。
    1582

    recommended works

    途綺*

    DONE🐑🔮//綺羅星の微睡み

    甘やかされてふわふわしてぼんやり眠くなる話。※実際にある睡眠導入法を軽くアレンジしています。
    「ふーふーちゃんのばか」

    足を抱えて小さく丸まった浮奇の声は、深く潜り込んだベッドの中でくぐもって響いた。ファルガーがドッゴの夜の散歩から帰ってきた直後という、浮奇にとっては有り得ないほど早い時間にベッドへ入っているのは低気圧に負けて痛みを訴える頭のせいだった。

    外の雨が強くなるにつれて突き刺すような痛みが徐々に強くなってきたこめかみをさすりながら眉根を寄せていた浮奇は、見兼ねたファルガーに鎮痛薬を飲むよう促された。当然の対応だとは分かっていたが昼前から痛んでいた頭は疲れ切って正常な思考を保てず、浮奇は鎮痛薬を差し出すファルガーの手を拒否した。ふーふーちゃんが抱きしめてくれれば治るだとか、脳みそを取り出して壁に投げたいだとか、キスして甘やかしてよだとか。とにかく悪態をついた覚えはあるが何を口走ったのか記憶にない。ただ、話を受け流しつつ浮奇の手を引いてキッチンへと向かったファルガーが唐突に顎を掴んできて、優しく重なる唇に安心したのと同時にぬるい水と薬が口内へ流れ込んできたことで浮奇はようやく正気を取り戻した。
    4137