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    鶴田樹

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    鶴田樹

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    2021年9月20日!そう今日は今年2回目のくわぶぜの日!!いえーい!ハッピーくわぶぜフォーエバー🥳🥳🥳

    【ハニートラップは誰のため?】((ど、ど、ど……どうしよう!!??))

    朝目が醒めて、あることに気がついて僕はとっても混乱している。

    ((こ、これはヤバすぎやん……!))

    思わず声に出してしまいそうだったけど声に出したら絶対に豊前どころか本丸中の刀を起こしてしまいそうだったからなんとか驚きを喉の奥に押し込めた。

    僕をそれくらい動揺させているのがどういう状況って、今日もいつもと同じくかわいい恋刀の豊前が僕の目の前で健やかに眠っているだけといえばそうなのだけれど……

    豊前に腕枕している僕の腕はいつもどおりとして、逆の方、僕がいつも豊前の肩や頭を抱き込んでいる方の手の様子がどうにもおかしい。

    そう、僕の左手は豊前の裸の太ももに挟まれていたんだ!!!!

    すべすべ!!すべすべ!!

    どうしよう!!!!!

    これ本当に男の、刀剣男士の太ももなん?!ってくらいすべすべでなめらかでしなやかでちょっともちもちでもあって……!!

    至福の触り心地なんやけど…!!

    うわあああああ!!!!

    頭を抱えたい!!頭を抱えたいのに片方は豊前に腕枕をしているし、もう片っぽは大変なことになってるし…!!!!

    どうもできない!!この爆発的に込み上げる感情を発散する方法がどこにもないよ!!


    落ち着こう、まずは落ち着こう、僕。

    この手以外はいつもどおりなんだ。

    豊前のつやつやの黒髪も、伏せたまつげの長さも慎ましやかな寝息も薄く開いた無防備な唇も、僕の胸元にそっと添えられた手も、くの字に曲げられた足も…そう、この足にいつもは僕の足を絡めていちゃいちゃしたりしてるんだけど……

    手のひらで触るとなるとこんなに違うん??!!

    確かに肌を重ねてる時は撫で回したりしてたけど…!!

    こんな健全な起き抜けに御見舞いされるのは破壊力がすごすぎるよ……!!

    「んっ…」

    豊前が身じろぎして、揃えた足がすり合わされる。僕の手のひらを滑らかに撫でる感触の、その天国めいた触り心地に本当に昇天しそうになる。

    どうすればいい?どうしたら理性を取り戻せる……??

    こんなかわいい豊前と最高の触り心地のダブルパンチはあまりにも効きすぎるでしょ……!!

    あまりにも悩ましくてぎゅっと目を瞑ると余計に手のひらの感触が鮮明になる。

    もっとあかんやん……!!

    僕は手のひらにかいてる大汗が恥ずかしくなって、豊前の太ももの隙間から手のひらを抜こうとした。すると

    「させねぇよ?」

    驚きに目を見開いた僕をまっすぐ見つめていたのはぐっすり寝てたと思ってた豊前のイタズラな眼差しで。

    「豊前もしかして起きてたの?」

    「おう。たまには桑名にサービスしてやりてえなって思ってさ、試しにお前の手でも挟んでみっかってやってみたんだけどさ」

    正直こんなに効くとは思わなかったよ。

    くっくっと押し殺すような笑い声を漏らしながら、豊前はゆっくりとすべすべの太ももで僕の手を愛撫する。

    「だめ…これは…ほんとにだめ……」

    桑名の顔は真っ赤で、立ち上る湯気が見えるようだ。

    それを豊前は満足げに眺めながらなおもゆっくりと魅惑の太ももの感触を桑名の手に教え込む。

    「ごめんなさい…もう…許して…豊前…!」

    あまりにも刺激が強すぎたのか桑名の声は泣きそうだ。けれどその腕力は力強く、豊前に腕枕をしていた腕で豊前の肩ごと自分の上に乗り上げさせたかと思うと豊前の手首をひとまとめに掴んで身体の自由を奪う。

    一瞬で騎乗位の体勢に変わったことで、ハニートラップにあっていた方の腕は豊前から与えられる甘美な蹂躙から逃れることができた。そうなれば後は膂力で勝る桑名に分がある。

    「さっき、なんて言ってたっけ?」

    「さっきってどれだ?」

    「サービスがなんとかって」

    「癒やされたろ?」

    「これが癒やされた男の顔に見える?」

    「ははっ!どう見ても暴発一歩手前の獣の顔だな!」

    桑名の荒い息も、ギラギラと欲を剥き出しにする瞳も手首を戒める力の強さも、どう見たって癒やされた男のそれではない。

    「そうしたのは誰?」

    「ん〜?」

    えっちな桑名の自業自得じゃねえの?

    わざと煽るように言葉を選んだ豊前の口はむぐりと桑名に食われてしまった。

    「じゃあ、ここからは僕もサービスしてあげる」

    桑名の瞳が深く昏く揺らめくのを見て、豊前は期待に背筋を震わせた。
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