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    めこ*咩子

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    めこ*咩子

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    黒夜久
    彼らの視線のこと

    #黒夜久

    彼らの視線の交差は、決して錯覚ではない夜久はレシーブする時、相手と目を合わせることを意識している。それは警告でもあり脅迫でもある。この道は通れない、と相手に伝え、相手をライン外へと誘導するのだ。この視線攻撃は常に効果的であり、黒尾でさえその威圧を無視することはできない。

    毎回の練習試合で黒尾と対戦する時、夜久は彼を使って練習する。黒尾の反応を見て、将来の対戦相手がどのように対応するかを想像するのだ。しかし、最近の黒尾のパフォーマンスは少し期待外れだ。時々、彼は自ら夜久と目を合わせることがある――スパイクを打つ前、さらにはスパイクを決めた後でも。

    彼らの視線はいつも数秒交錯してから、やっと離れる。それはもはや練習とは呼べないものだ。

    「黒尾、お前、俺に睨まれている緊張感を克服しようとしているのか?」

    もしそうなら、夜久は練習相手を変えなければならないかもしれない。なぜなら、試合中にリベロをずっと見ているスパイカーなどいないのだから。

    黒尾は首の汗を拭きながら、うつむいて答えた。「いや、克服しようとしているわけではない。ただ、慣れてしまったのかもしれない。」

    「ボールがまだ手元に来る前から俺を見ているんだから、どうしても慣れてしまうだろう。」

    「え?俺、ずっと見てたの?」

    「スパイクを決めた後に戻る時も、俺のことを何度か見てたんだ。これじゃあ俺がどうやって練習すればいいんだ?」

    夜久が怒りを込めて言い終わると、黒尾は困惑した表情を浮かべ、まるでその細かいことには気づいていなかったようだった。二人はしばらく無言で見つめ合い、やがて黒尾は少しぼんやりとした様子で口を開いた。

    「たぶん、それは君の目がとても綺麗だから。」

    だからこそ、僕はつい君を見てしまうんだ。
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    msk11170808

    DONE画像に出来なかったのでこっちに投げましたー!
    ワードパレット「ネコヤナギ」お借りしました😊
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    ぽこんと間の抜けた通知音に慣れた手つきでスマホを操作すれば、恋人からのメッセージだった。親善試合前の合宿中のはずの夜久から連絡が来るのは珍しい。つい数時間前、練習場に顔を出した際練習中の姿を見かけたけれど、声をかけることも出来なかった。何かあっただろうか? と一瞬不安がよぎったけれど、怪我などの情報ならいち早く届くような職場にいる。そういう話は聞いていないから怪我などではないとホッと息を吐いた。
    声でも聞きたいとか? だったらいいなと思ったものの、夜久に限ってそれはないかぁと肩を竦める。とりあえず、仕事を早めに片付けて、今会社出たとこって返事を入れた。
    今日は車で来ていたので、眠気覚ましに乗り込む前にコーヒーでも買うかとふらりと駅前に向かう。目的のカフェの手前で返事をしたきりうんともすんとも言わなくなったスマホを手に信号待ちをしていたら、突然震え出した。液晶に映し出される名前は『夜久』。それを確認して、すぐに通話ボタンをタップしそうになった自分に待てをして、ゆっくり一呼吸。緩みそうになる口元に力を入れて、通話ボタンをタップした。
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