せんしょとうばん『かーちゅーしゃかーわーいーや』
「読経のごとく読むな」
『読経を知っているとは』
「僕はそれなりに日本で生活をしているからな。その歌はよく聴く」
帝国図書館分館に来たボードレールは少女姿をした『くま』の歌声を聞いた。音程がつけられるくせに棒読みで歌っている。
『吉井勇が作った歌だ』
「……あのピンク髪に甘えている駄目な男」
『覚えているのはいいが』
伊藤佐千夫のことを言っているのだろう。『くま』は座っていたカウンターテーブルから降りる。
特に訂正を入れないので、吉井と佐千夫の関係はそうだと彼女も思っているようだった。
「潜書当番に来たぞ」
『おじじとドイルと乱歩を待て』
「……武器が偏っていないか？」
指環調整、と『くま』が言うが適当に決めただろうとなる。真剣にやる時はやるが、それなりに適当に決めても、
何とかなるぐらいには戦力はあるのだ。
「お待たせしました」
ゲーテが来る。潜書当番は均等に振るようにはしている。有碍書の浄化がメインだ。
「詩の暗唱は出来ないのか」
『お前の詩でいいか』
「全員揃うまで暇だ」
四人そろってから潜書をして浄化をするという決まりだ。『くま』は黙る。
『Celui qui regarde du dehors a travers une fenetre ouverte, ne voit』
「Les Fenetres、窓ですね」
『早押しクイズ？』
窓はボードレールの作った散文詩である。
「読み込んでいますから」
「僕の詩だからな！」
「ええ」
少女が半目になっている。やがてドイルと乱歩もやってきた。



『いーのちーみじーかしーこいーせよーおとめー』
「読経のごとく読むな」
『読経を知っているとは』
「僕はそれなりに日本で生活をしているからな。その歌はよく聴く」
帝国図書館分館に来たボードレールは少女姿をした『くま』の歌声を聞いた。音程がつけられるくせに棒読みで歌っている。
『吉井勇が作った歌だ』
「……あのピンク髪に甘えている駄目な男」
『覚えているのはいいが』
伊藤佐千夫のことを言っているのだろう。『くま』は座っていたカウンターテーブルから降りる。
特に訂正を入れないので、吉井と佐千夫の関係はそうだと彼女も思っているようだった。
「潜書当番に来たぞ」
『おじじとドイルと乱歩を待て』
「……武器が偏っていないか？」
指環調整、と『くま』が言うが適当に決めただろうとなる。真剣にやる時はやるが、それなりに適当に決めても、
何とかなるぐらいには戦力はあるのだ。
「お待たせしました」
ゲーテが来る。潜書当番は均等に振るようにはしている。有碍書の浄化がメインだ。
「詩の暗唱は出来ないのか」
『お前の詩でいいか』
「全員揃うまで暇だ」
四人そろってから潜書をして浄化をするという決まりだ。『くま』は黙る。
『Celui qui regarde du dehors a travers une fenetre ouverte, ne voit』
「Les Fenetres、窓ですね」
『早押しクイズ？』
窓はボードレールの作った散文詩である。
「読み込んでいますから」
「僕の詩だからな！」
「ええ」
少女が半目になっている。やがてドイルと乱歩もやってきた。



『かちゅーしゃーかーわーいーや』
「読経のごとく読むな」
『読経を知っているとは』
「僕はそれなりに日本で生活をしているからな。その歌の他になかったか？　命短し……っていう」
帝国図書館分館に来たボードレールは少女姿をした『くま』の歌声を聞いた。音程がつけられるくせに棒読みで歌っている。
『ゴンドラの歌か？　吉井勇が作った歌だ』
「……あのピンク髪に甘えている駄目な男」
『覚えているのはいいが』
伊藤佐千夫のことを言っているのだろう。『くま』は座っていたカウンターテーブルから降りる。
特に訂正を入れないので、吉井と佐千夫の関係はそうだと彼女も思っているようだった。
「潜書当番に来たぞ」
『おじじとドイルと乱歩を待て』
「……武器が偏っていないか？」
指環調整、と『くま』が言うが適当に決めただろうとなる。真剣にやる時はやるが、それなりに適当に決めても、
何とかなるぐらいには戦力はあるのだ。
「お待たせしました」
ゲーテが来る。潜書当番は均等に振るようにはしている。有碍書の浄化がメインだ。
「詩の暗唱は出来ないのか」
『お前の詩でいいか』
「全員揃うまで暇だ」
四人そろってから潜書をして浄化をするという決まりだ。『くま』は黙る。
『Celui qui regarde du dehors a travers une fenetre ouverte, ne voit』
「Les Fenetres、窓ですね」
『早押しクイズ？』
窓はボードレールの作った散文詩である。
「読み込んでいますから」
「僕の詩だからな！」
「ええ」
少女が半目になっている。やがてドイルと乱歩もやってきた。