🍔×🪓エブリバーガーくんは木陰の下で無防備に眠るきこりのおじさんの顔を見つめていた。いつものようにイタズラをしにきたはずが、きこりのおじさんの薄く開かれた唇から目が離せないでいたのだ。
「……っ!」
気がつけば、エブリバーガーくんは自分の口ときこりのおじさんの口をくっつけてしまっていた。ファーストキスだった。心臓がバクバクと音を立てて鳴っている。
エブリバーガーくんはハッとしてすぐに離れたのだが、その瞬間、眠っていたはずのきこりのおじさんがきつく目を閉じたまま顔をしかめた。
「ん……」
きこりのおじさんが起きてしまったのかと思い、エブリバーガーくんは慌てて逃げようとした。だが、その時、
「……エブリバーガー」
きこりのおじさんが小さな声でそう呟いた。エブリバーガーくんの名前を呼んだのではなく、寝言を言ったようだった。
「……なんでぼくの名前を?」
不思議に思ったエブリバーガーくんだったが、よく見るときこりのおじさんの目尻には涙が溜まっていた。エブリバーガーくんはそれを見てなぜか胸がきゅっと締め付けられるような気がした。
「泣かないでよ……きこりのおじさん……」
エブリバーガーくんはそう言って、またきこりのおじさんの口に自分の唇を押し当てた。今度はさっきよりも長く押し当ててみた。ドキドキしながらゆっくりと離れると、きこりのおじさんは先程までとは打って変わって穏やかな表情になっていた。そしてそのままスヤスヤと眠り続けている。どうやら完全に熟睡しているようだ。
「よかった……」
ホッとしたエブリバーガーくんはふと思った。なぜ自分はこんなことをしてしまったのだろうか?エブリバーガーくんがその理由に気づくのはもう少し先の話だった。