Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    名前三文字以上無いなお

    @NtkrbN
    ポイピクくんなんで名前3文字以上じゃないと駄目なの…?1、2文字の民は使用するなってことなの?
    ぼくはね、くにちょぎを書きたいなおというものだよ。よろしくね。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 24

    付きあってないけど距離の近い伯仲3

    一年中建物内を一定の温度で保っている本丸だが、しかし冬はどうしてもひやりとした冷気が少々入ってきてしまう。特に、本丸の柱たる主が眠っている深夜から朝方にかけては術の精度が下がるのか、この時期の寝起きは刀剣男士とてつらい。
     この本丸の山姥切長義は朝に少々弱く、わざわざ布団から出て寒い思いなどしたくない、といつまでもミノムシ状態になっているような個体だった。
    「山姥切、起きろ」
    「いやだ……だって、寒いだろ」
     本歌なのに子どものような駄々をこねる長義に、国広は仕方なく己も長義のくるまる布団に無理やり入った。
    「にせものくん……」
    「俺は温かいだろう」
     長義が文句を言う前に、国広は縮こまった長義の身体を抱きしめてやる。そうすると静かになった長義は、そのまま国広に身をゆだね、頬を国広がむき出しにしている首筋に擦りよせた。
    「……あったかい」
    「そうか」
    「すき」
    「それはよかった」
     人の体温に包まれて、長義はまた眠りに落ちていく。あどけなさを含んだ声で零された「すき」という言葉に、少しだけ鼓動が早くなった国広を置いて。

     国広は意識の無い長義をしっかりと抱き寄せて、セットされていないふわふわの銀髪に顔を寄せた。朝の支度をするには、あと十分ほどで起きなくてはならないと時計が無音で告げている。それをチラリと見た国広は、そのまま目を閉じた。

    「山姥切ー! と、ついでに国広さんも! 起きて起きて! 朝ご飯食べれなくなっちゃうぞ!」
     スパン! と音を立てて容赦なく開け放たれた襖に、長義が薄らと目を開けた。国広の腕の中で。そうしてまたか、とため息を吐く。
    「……偽物くん。すぐ起きない俺が悪いことは十分承知しているが敢えて言おう。毎朝ミイラ取りがミイラになるのなら、起こしに来なくて構わない」
    「すまん、明日からは気を付ける」
     そう言った国広は、長義を背後から抱きしめるようにしながら襦袢を脱がしてやる。少しでも寒くないように、触れ合いながら枕元に用意されている内番服を着せていくまでが国広の(勝手に得た)役目だ。
     そうやって着替え進める姿を見て、先行ってるねと起こしに来た男――鯰尾はなんてことないように去って行った。山姥切二振りの距離感バグは、この本丸内では当たり前になっているので。もう気にするものは居ないのだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺🙏☺☺❤💕💕🎐☺💖💞💖💖💖💖❤❤❤💖💕🙏💯🍼💖💖💗💗💗❤🙏🙏💖💖🍑🍑🍑💒💒💒💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works