看病ふ、と。突然意識が浮上した。
この感覚を知っている、目が覚めるときの感覚だ。
そうだ、わたしは寝ていたんだ。
ようやくそのことに気付いて、そっと目を開ければ――不機嫌そうな顔をした、青い髪に赤い目のサーヴァントと目が合った。
「お、はよう、ございます」
「……おはよーさん」
よく眠れたかよ、と。続いて出てきた言葉がわたしに届く。言葉はわたしの身を案じてくれているようだったけれど、そのニュアンスはどうにも怒っているそれだ。
そして私は、どうして自分が寝ているのか、ということに思い当たった。
「もしかして、倒れた?」
「ああ。これまた盛大に、な」
ああーー。これは、これはやってしまった。そうとしか思えない。
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