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    kusunokiR2

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    留守電だけで会話するの何か良くね?って思ったけど卒業後完全捏造するだけの想像力がなかったので爆散したプロット

    神雨3年時→卒業後3年時時空で、ぎりぎりたいぺー奪還戦が卒業に間に合わなかった世界線。
    たいペー奪還戦に教導官として赴くしぇんさん、ついていきたいのに、 アイスランドから許可が降りないゆ ちゃん(3年になるころには名を馳せるほどの実力者であり、卒業後も教導官としてヘイムスクリングラに招かれているので逆に許可が降りない。 戦死率が高いことが予想されるから、実力者を死なせられない。 仲間を守るために強くなったのに、って悔しくて泣くゆちゃん。 それでも、 わたくしはあなたを誇りに思うわって言って微笑むしぇんさん。

    ↑を前提に、通信機器の録音メッセージだけでやり取りする話。
    戦地にいるから長くは話せないし、時差も相まって直接話すこともままならない。 だから、不在のメッセージに録音された音声で、まるで手紙のようにやりとりすることがいつの間にか日課になっていた。
    朝起きて、真っ先に録音を確認する。新着の不在着信があることに、今日も息をつく。
    リリィはある意味スターだ。有名なリリィなら、訃報も海を越える。だけど、一介の教導官はきっとそうじゃない。
    朝になると新しく入っている不在着信だけが、今も互いに生きていると確認できる唯一の手段だった。戦況のせいか、何日もメッセージが入っていないときもある。その度に、録音されたメッセージを何度も聞き返し、きっと無事だと言い聞かせるしかない。

    ある時、いつものようにメッセージを残そうとしたら、不意にコール音が途切れる。繋がった、と理解する前に、通信機の向こう側で息をのむ気配。
    「神琳……?」
    「雨嘉、さん」
    どこかこわごわと呼びかけた声 に、ぽつりと声が返ってくる。 でもそれっきりだ。 いつもは考えなくても、喋りたいことなんて勝手に出てくるのに、こうしてつながった時だけ何一つ言葉が出てこなくって。 せっかくつながったのに、長くは話せないのに、何も言えなくて。お互いに黙ったまま、 通信機を耳に押し当てて固まっていた。 どれくらいそうしていたんだろう。 「元気…………?」
    不意にこぼれた言葉はかすれきっていた。
    「ええ。 雨嘉さんも、お変わりありませんか?」
    一言一言、 絞り出すように神琳が言葉を紡ぐ。
    「うん。大丈夫」
    次の言葉は、 今度は喉から滑り出た。 堰を切ったように、 言葉がこぼれ落ちていく。
    不意に通信機の向こうが慌ただしくなる。 かすかに聞こえる警報のような音。ああ、もう切らなきゃなんだ。
    「ヒュージ」
    「ええ、申し訳ありません」
    「うう ん、仕方ないよ」
    「では、名残惜しいですが、これで」
    「あ、 神琳!」
    「はい?」
    思わず引き止めてしまった。 どうしよう。 一刻を争うのに。 早く行かなきゃいけないのに。 迷っている暇 もなくて、伝えたい思いを全部込めて一言だけ。
    「神琳、またね」
    「――ええ。 ええ、また」
    それを最後に通話は切れた。いよいよ戦闘準備に入ったのだろう。
    「またね」「えぇ、 また」
    再会の約束。
    この約束が、 神琳を守ってくれればいい、とそんなことを思った。

    結局ゆちゃんはこの後、たいペー奪還後の復興要員と いう名目で、半ば勝手に早めに現地入りして参戦する。 姿は見えないが、 現役の頃に劣らぬ正確な射撃に誰の仕業か悟って、 呆れつつも力が湧いてくるしぇんさん。
    最後はヒュージ倒してようやく会えて、
    「おかえり」「ただいま」で終わるやつ
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