🦉🦩ややシリアス告白話プロット平和な世界になってトリとしての力を失い日常に戻る皆。ミヤマさん、フクちゃんの定期検診のシーンからスタート。フラちゃんの様子を聞かれて、まだ色が見えないことを伝えるフクちゃん。細胞は全てトリから人間に戻っている。考えられるのは、心因性の影響。何か、本人も自覚していない悩みがあるのかもしれない。それこそ、トリとしての何かに未練があるような。
場面変わってフラちゃんと勉強会。知識欲はあるほうだけど、何事も限度はある。あんなに疎ましかったギフトが今は恋しいと思いながら英単語を詰め込むフクちゃん。最初は書いて覚えるという行為が懐かしく、感動すら覚えたが今やただただ面倒くさい。そう、面倒になるほどには、ギフトがなくなってから月日が流れているのに。
「ここだ!ってところはわかるのに〜!!」
国語の文章題に頭を悩ませているフラちゃん。
「部分点ばっかり!悔しいな」「惜しいところまで来てるから、もうちょっとだよ」過不足なく答えるのは、私だって難しいしと慰めながら、フラちゃんの様子を伺うフクちゃん。ミヤマさんとの会話がずっと頭の端っこに居座っている。直接聞くわけにもいかないので、遠回しに心配するフクちゃん。「あの、エマ……最近、何かあった?」「頼りないかもだけど、何かあったら、教えて欲しい。力になれるように、頑張るつもりだから……」
何もないと答えながら、心配そうな顔を崩さないフクちゃんを見つめ、ふとわかってしまう。ミヤマさんの言葉を思い出すフラちゃん。心因性の何か。
「明日はカラスと出かけるんだっけ?」
「うん、そう。頭数が足りないとかで……」
トリになって、フクロウはエナガやカラスといった友だちができた。それはとても嬉しくて、嘘じゃなくて、ホントで、でも少しだけ思ってしまう。もう、ワタシだけが友達じゃない。唯一の友達としての特別は、もうない。トリとしてパートナーだったあのときだって、もっと特別を求めてしまっていたのに、それすら無くなった今は、ワタシはフクロウにとって「大勢の中の一人」なのかもって。
だから心の何処かで思ってしまっているんだ。だから、フクロウの特別になれる、トリとしての自分から戻れないんだ。
フクロウに笑っていて欲しくて。でも、やっぱり特別を手放せなくて。このままじゃ、ずっと心配そうな顔させちゃうから、だけど戻れないから。
フクロウは、もう忘れられる。もうギフトの力はない。
そんな感じで、フクちゃんから一時的に(?)離れて海外へ行こうとするフラちゃんと、自分の中でフラちゃんがどういう存在なのか答えを出したフクちゃんの告白話。
【この辺で受験の話いれる。進路が分かれる(フクちゃんは大学、フラちゃんは服飾の専門学校。)専門学校に行くなら、やっぱりギフトは無くさないとって眉を寄せる福富。その横顔を見て、このままじゃダメだって踏ん切りをつけるフラちゃん。違う進路、フラちゃんがいなくてやっていける気がしないと泣き言を言うフクちゃんに、CAGEで友だちもできたし、みんなとコミュニケーションとるの頑張ってた。だから大丈夫、と励ますフラちゃん。「だから、波瑠はワタシがいなくても大丈夫」
どこか言い聞かせるように言うフラミンゴに、フクロウの胸は何故か痛む】
黙って行くか迷うフラちゃん。ようやく、あのときSKYに黙って行ったフクちゃんの気持ちがわかる気がした。あのとき、本当は相談してほしかった。2人で悩んで、答えを出したかった。だけど。「言えないよね……だって、言ったら答えになっちゃうから」
あのときのフクロウは、ワタシのギフトを治すためにSKYに行った。ワタシが理由だった。だから、相談できなかったんだ。ワタシが答えたら、それが2人の答えになってしまうから。
帰り道、並んで歩く2人。
とりとめのない会話の後に、不意にフラミンゴが呼びかける。
「ねえ、波瑠」
「なに? エマ」
「波瑠にとって、ワタシは親友?」
キョトンとした顔のフクロウ。パチリと瞬きをした後、柔らかい笑みで答える。
「親友だよ。エマはずっと、私の一番の親友」
でも、どうして急に? 何かあった? と表情を曇らせるフクちゃんに、何も!聞いてみたかっただけ。と笑って答えるフラちゃん。
「波瑠」
「大好きだよ」
フラちゃんは何も言わずに行くことを決めた。
『大好きだよ』
部屋でひとり、以前の会話を思い出すフクちゃん。あのときのエマは、見たことのない表情をしていた。愛おしいような、悲しいようなあの表情が何故か頭から離れない。ゲームをしていても、勉強中でも、ふとした時に思い出してしまっている。心臓のあたりをぎゅっとつかむ。あのとき、確かにあった息が詰まるような感覚。胸の内を刹那に満たした衝動、その意味を上手く咀嚼できずに持て余している。
あのとき確かに、触れたいと思った。
あまつさえ、抱きしめたい、なんて。
かわいい? 嬉しい? それも確かにあったけど、正解ど真ん中って気がしない。かすっているけど、どこかずれているような。掴めそうで掴めない気持ちは、今日も名前がわからないままだ。
数日後、町中でカラスにばったり出会うフクちゃん。バイト帰りだと言うカラスは、合って早々に片眉を上げ怪訝な顔を見せた。
「アンタ、こんなとこで何やってんだ? 見送り行かなくていいのか?」
「見送り?」
「何だその顔……まさか、聞いてないのか!?」
【ここ迷いどころ。元々春休みの間だけとか周りには説明して(クラスメートとか)、本当はいつ戻るか決めていないのもあり。(帰りたくないと言えば、無理に帰らそうとする両親ではない。(家族は魔獣の影響で海外戻り中? ないしは拠点として家だけあるか未定)学校とか、どうなるのかな。今は考える余裕がないや)
福富家には手紙入れてくけど、フクちゃんがこの後追ってくるので結局読まれない。ハクちゃんにはいつ戻るかわからないことをこっそり告げてる(戻ってくるつもりではあるけど、もし春休みが終わっても目が戻らなかったら、フクロウの様子を教えて欲しい。きっと心配するだろうから)】
フラちゃんが海外に戻ることをかいつまんで話すカラス。今日が出発日だと言う事。自分はバイトで行けなかったが、ハクチョウが見送りに行っている事。説明しながら手早くスマホを操作し、電話をかけるカラス。
「ーー琥珀か?」
「凛? どうかしましたか?」
電話越しに聞こえてくる声が、次第に驚きで早くなる。音が遠い。
エマを乗せた飛行機は行ってしまった。
どうして、と狼狽える私に、詳しくは仰りませんでしたが、と前置いて、琥珀さんが言う。「どうしても言い出せなかったそうです。それから、フクロウさんもあのときこんな気持ちだったのか、と」
あのとき。すぐに思い当たる。私がSKYに行ったときだ。迷って、だけどエマに相談せずに決めた。聞けばきっと答えになってしまうから。その答えがきっと、エマが、エマのことだけを考えて出した答えじゃないから。
あのときと同じ。何がーー?
『波瑠』
声が言う。優しい、私にだけ向けられた声。
『大好きだよ』
「……あ」
あぁ、そうか。今更になって気づいた。エマの思いも、自分の気持ちも、すとんと胸に落ちていく。トリになって、少しは成長した気でいたけど、私はやっぱりどんくさくて周回遅れだ。
ずっと伝えてくれていた言葉。
あのときも【暴走中描写いれる】
あのときも【日常から何か描写いれる】
あなたが好き。
『波瑠にとって、ワタシは親友?』
ようやく正しく受け取った質問。
ワタシがいなくても大丈夫と言われて痛んだ胸も、触れたい、抱きしめたい衝動も、全部答えだ。
全部答えだった。
「おい、大丈夫か?」
急に静かになったからか、カラスさんが躊躇いがちにこちらを伺う。
深く息を吸い込んで、顔を上げた。後悔も自己嫌悪も、全部後でいい。だから。
「大丈夫、です。それより、お願いします。協力してほしい事があって……」
春になったとはいえ、フランスはまだ寒い。
飛行機を降りて、荷物を受け取ったところで思わず長い息を吐くフラちゃん。【ここで色の描写いれる。荷物を探すのに手間取ってしまって、先が思いやられるなぁ、と長い息を吐いた。慣れたつもりでいたけれど、見慣れない物、行き慣れない場所での見え方の違いは、こういうときにやっぱり不便だ。】息の白さに、ついに日本を離れてしまった事を今更のように自覚する。当然のように思い出す。
思い出して、また会いたくなってしまう。
ためらいを振り払うように、空港を出ようとするフラちゃん。後ろから声がした。
聞き間違えるはずのない、ここにいるはずがない声。
「ーーエマ!」
反射的に振り向いた。戸惑いで漏れた声が掠れている。
肩で息をしながら、波瑠が立っていた。聞いたことのない大声で、もう一度エマを呼ぶ。
【分岐。どっちか。】
呆然と立ちすくむエマに、へにゃりと表情を崩す波瑠。
「よかったぁ……空港出ちゃってたらどうしようかと思った……」
「波瑠、なんで……」
動けないままのエマに近づく波瑠。声の小さい波瑠と話すときの、他の皆と話すときより少し近いいつもの距離。いつもはエマが屈んで近づける距離を、波瑠が背伸びで埋めた。
「伝えたいことが、あるんだ。だから、その、聞いて欲しい、です」
【
「波瑠、なんで……」
呆然と立ちすくむエマに足早に近づく波瑠。
声の小さい波瑠と話すときの、他の皆と話すときより少し近いいつもの距離。いつもはエマが屈んで近づける距離を、波瑠が背伸びで埋めた。息を切らして言う。
「親友、だよ。」
「だけど、それだけじゃない。私、ずっと、エマしか友達いなくて、でもエナガさんが友達になって、カラスさんとか、普通に話せる人も増えて、だから、わかって」
「ずっと一緒にいてほしいのは、エマだけで、こんなふうに、思ってるの、ようやく気づいて」
「私は、エマが、好き、だから、ずっと一緒にいたい。いさせて、ほしい。」
】
告白の言葉を伝えながら、改めて思う。
ずっと親友だと思っていた。今も思っている。
だけど、それだけじゃ不十分だ。過不足のない答えは、他にあった。
フクちゃんの告白で泣いちゃって、慌てたフクちゃんがごめん陰キャが出しゃばってって言いかけるから、違うのって思わず抱きしめて、言葉にしようと思ったのに喉が詰まって言えないから必死で首をふる。
大丈夫?っておろおろするフクちゃん。心配そうに顔を覗き込もうとするから、必死で肩におしつける。
わたわたしていた両手がおそるおそる背中に回って、あやすように優しく背中を叩く。
しばらくそうして、呼吸が落ち着いたころにようやく顔を上げるフラちゃん。
目尻に残った涙。フクロウが手を伸ばして、おそるおそる涙を拭う。
一通り落ち着いてから、こっちに来るまでを説明してくれるフクちゃん。
同じ飛行機では追いつかない。だけど、いくつかの目的地を経由すれば先回りできるルートがあるかもしれない。
トリとして必死に戦って、断片的な情報から最善を導こうとしたあの経験は、ギフトがなくなった今もちゃんと自分の中で活きていた。
エマが乗った飛行機は、ハクチョウさんが教えてくれた。旅費はカラスさんがなかば押し付けるように貸してくれた。トリだったときの報奨金もまだ残っててよかった。パスポートはエマの実家に遊びに行ったときのがまだ使えたし、家から空港まではハチドリさんがバイクで送ってくれた、けど、二度は勘弁してほしい……。しかも一回も信号引っかからなかったし……何故か他の車1台もいなかったし……怖すぎる……。
思い出したのか軽く呻き始めたフクちゃんに、つい笑ってしまうフラちゃん。
おまけに着の身のままで来たから、この後どうするかも考えてなかった。
「とりあえずうちに泊まればいいよ」
「うぅ……ありがとう……よろしくお願いします……」
格好つかないなぁ……と凹み始めるフクちゃんに、愛おしそうな目を向けるフラちゃん。
空港の入り口付近。朝焼けの光が入口から差し込んでいて、思わず目を細める。泣いたあとということもあり、少し刺激が強いというか。ぎゅっと目を瞑るフラミンゴの隣で、同じように目を細めるフクロウ。
「眩しいね」
「朝日の眩しさって万国共通なのかな」
同時に同じような事を言ってしまって、顔を見合わせる。
足が止まった。
じっと波瑠の瞳を凝視したまま動けない。
どうして気が付かなかったのだろう。
急に動かなくなったエマを心配そうに見つめる波瑠。
視界に、慌てたような心配そうな波瑠の黄金色の瞳が映っている。
「……エマ? 」
「……が……かる」
「え?」
「ワタシ、波瑠のいろが、わかる……!」
色をとりもどした世界で、一番に見えた大好きな色が、よかったとぺしょぺしょになる
最後は空港から帰る道で、落ち着かなそうにキョロキョロするフラちゃん。
「不思議だよね。ずっと見えなかったから、急に見えるようになって、なんだか新鮮かも。」
「それは……嬉しい新鮮、だね」
「うん! でも、逆にちょっと落ち着かないなー」
「すぐに慣れるよ、きっと」
そうだねって返事しながら、ずっと繋がれたままの手の感触を確かめる。伝わる温度に、こっちの嬉しい新鮮はしばらく慣れなそうって思う。
「波瑠」
「何、エマ?」
「大好きだよ、ずっと。」
【後日談】
ハクチョウと女子会フラちゃん
「付き合ってからキスっていつした?」の問に紅茶むせかけるハクちゃん。付き合って満足して手繋ぎどまりの福富。告白の言葉ーー『私は、エマが、好き、だから、ずっと一緒にいたいよ。この先も、ずっと』
真剣で必死な波瑠の様子、言葉、どれも大事な思い出で、思い出すだけで舞い上がってしまいそうだけど、ずっと秘めていようとした手前、一度それが叶ってしまうとだんだん欲も出てくる訳で。
みたいな感じでフクフラお部屋初キス話