ばーーか ぐっ、ぐんっ
澤村が押し切り出す。
「ぁっ、ぁ、」
菅原の喘ぐ声が寝室に響き渡った。菅原の両手を握って覆いかぶさる形だった澤村の汗が、菅原の額にぱたりと落ちる。
「スガ、大丈夫?」
澤村が抜き取りながら聞いた。
「……ばーーーーか」
呼吸が整わない中、肩を上下させながら、少し余裕のない顔で 、額から澤村の汗を伝わせながらうっすら笑ってそう澤村に投げかけた。足で澤村の肩を軽く蹴る。
コチン
澤村が一瞬固まった。
あまりに、菅原が煽情的だったから───。
思わず澤村は菅原をグッと抱きしめる。固いものが当たるのに気が付いた菅原、
「あの、大地、なんか当たってるんですけど……」
「誰のせいだと思ってんの?」
「は?俺?!」
そういうノンケなところも含めて愛おしい。なんてことを思いながら澤村は菅原の脚に手をかけようとする。と、
「ちょっと待った!」
菅原から待てがかかった。
「大地、なんかSっぽいこと言ってみて!合格したらシてやってもいいよ」
「なにそれ」
「いいから、なんか言ってみて」
「スガ、Mなの?」
「ちがわい!ただ何となく気になっただけ!」
菅原の脚から手を放して口元に手を当て澤村はしばし考え込む。よし、とつぶやくと、おもむろに菅原の手を取り、口を口で塞いだ。舌を滑り込ませる。
「んっ?!」
ピクリと菅原が反応する。くちゅ、と口内をひとしきりかき乱すと、ふと銀糸を伝わせながら唇を離して、
「エロい口してるな。きっと下の口もエロいんだろ?ほら、股開けよ、使ってやるから」
「なっ!」
菅原の赤らんだ顔がさらに赤みを増した。
「なんかっ、Sというかエロくないっ?って、しれっとシようとすんなよ!」
「その反応、どうせ合格だろ?」
「っう」
菅原は鈍い声をあげ、澤村が何事もなかったかのように菅原の片脚を持ち上げる。サイドテーブルからゴムの袋を一枚取り出しピッと開け、するするとゴムをはめる。
「大地、顔がやる気満々なんだけど……?!」
「その通りだからな」
このあと菅原が再び息絶え絶えになるまで抱きつぶされたのは、いつものお話───。