いい夫婦の日 2021「あっ、う……」
何回目かの夜。
ずるり、と初めて奥まで達したソレをそっと澤村は抜き取る。
「スガ、大丈夫?」
と、澤村は心底心配そうに菅原に言の葉を投げかけるが、いつもなら返ってくる菅原からの返答がない。
「…………───」
(き、気持ち良かった……)
菅原はぐったりと枕に顔をうずくめて、疲労と悦の残り香に浸っていた。が、
(もしかしてガッツキすぎた…?!痛かったとか?!)
澤村はそんなことをぐるぐる頭に過らせてあたふたしている……というかそれは脳内だけで、身体は一周回ってコチンと固まっていた。
澤村の異様な気配を察した菅原は、ずんなりと重たい頭をようやっと持ち上げて彼を見やると、一目でわかった。
(あ、こいつテンパってるな)
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