>悠真編
「はい、花婿さんに突撃インタビュー!!」
「え、なに!?録画してる??やめてよねー」
「だいじょぶ公開しないから!
えーとね、プロポーズのきっかけは?
その時なんて言ったの?」
「んー、遺産相続させるには配偶者にするのが
いちばん手っ取り早かったんだよね
同じ家で暮らしてるだけじゃ
家族だって認めてもらえないんだよ
大事な手術に立ち会えなかったり
術後に面会出来ないの困るじゃん
『家族』の肩書きが欲しくてちょっと
焦ってたかもしんない」
「もっとロマンチックな話ないの?」
「ライトさんてさ 目を離したらふらっとどこかへ
行っちゃいそうじゃん」
「わ か る」
「だから逸れても帰ってこれるように
『家族』って名前の首輪…じゃないな迷子札を
付けたかったのかもしれない
まあ口喧嘩中の勢いだったから正直プロポーズ
やり直したいんだけど」
「なんて言ってプロポーズしたの?」
「僕の家族になってください」
「ヒュー!!『愛してる』とかじゃないんだ」
「それは毎晩言ってるから」
「お熱いねこのー!!まあこのご時世
家族全員揃ってる方が珍しいもんね」
「リンちゃんはそのオヤジ臭いリアクション
やめたらもっとモテると思うよ
ところでこれライトさんにも聞いたの?」
「うん 聞かせてもらったよ 惚気話」
「ずるい僕も聞きたいそれ」
「悠真には絶対ナイショって言われたから
ダメー!」
「けちーー!!」
>ライト編
「じゃん!花嫁さんに突撃インタビュー
でっす!!」
「なんなんだ藪から棒に」
「将来の参考に挙式前の心境を聞いておこう
と思って」
「…あんたの参考にはならないと思うぞ」
「プロポーズはどっちからしたの?」
「向こうから」
「どういうシチュエーションだったの?」
「口喧嘩の最中に責任取るから嫁に来い
みたいな流れ」
「それどういう状況!?」
「……正直あんたには言いにくい」
「あ〜えっちな事してたんだ〜」
「やめなさい(脳天チョップ)」
「いったーい その状況でなんでOK
しちゃったの?」
「……あいつが俺の昔の事知っても嫌いに
ならないって言ったから」
「私には言えない話?」
「ああ 聞かない方がいい
あいつは自分がしんどい時でも明るい方を
見てるから すごいなって思うんだ
俺は暗い方ばっかり見ちまうから
一緒にいたら明るいのが見えるんじゃないかって」
「ライトさんも大概諦め悪くない?
最後は絶対勝つじゃない お似合いだよ」
「……そうかな」
「実はこれ録画してるんだけどさ
悠真に見せていい?」
「絶 対 ダ メ だ」
「ちぇ――――」