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    Nagisasuruga

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    Nagisasuruga

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    最近忙しいので、カッとなってコプヤンでメ◯バを作ってみた。
    ヤン♀設定
    色々酷い
    誰も報われないし、幸せにもなれない。

    貴方が、いつにもなく真剣な顔をして結婚してくれと言う度に

    私は、神なぞいない事を知る。


    この運命が嫌いだと思ったことはない。
    あの時だけは運が無いというか生まれた時代が悪かったんだなぁくらいにしか感じなかった。私の周りを取り囲んでゆく人間に対しては、また生まれ変わってもどこかで会うんだろうな、会えない人もいるだろうな、その時はまた次で巡り会えるさと思い淡々と命のゴール待つ。そしてまたスタートに立ち、出会い、別れる。
    これを延々と繰り返してきた。
    今は何度目のスタートだったろうか、思い出すのも億劫になる。

    「お似合いですよ」
    「ありがとうございます。彼、コレがいいと言って聞かないものですから」
    分かっている。その言葉は、このドレスに初めて袖を通した時から腐る程聞いた。

    だが、彼は、彼だけは絶対に出会う。
    どこにいても、何をしていても、私を見つけ出し名を呼ぶ。

    「もう少し、レースを調節しましょうか」
    「お願いできます?」
    勝手にすればいい。大したアレンジもしないドレスの調節を何度すれば君達は気が済むんだ。

    だから、私は彼のいない世界に生まれることを何度も望んだ。
    拒絶
    というわけでは無い。
    その世界で生きてみたいと思ったのだ。
    彼がいない世界を見てみたいと思ったのだ。

    「ブーケが届きました。いかがでしょうか」
    「まぁ、綺麗」
    どうせ、誰かにくれてやる花だ。

    私が女になろうが男になろうが、彼は私の前に跪き首を垂れ忠誠を誓い、愛を口にする。
    君も飽きないなと慰めに近い言葉をかけてやろうとも思ったが、至福と言わんばかりの表情を見る度に、その様な言葉など彼は求めていないのだと悟った。そして、その言葉は私の辞書から消えた。

    「花婿様が、お見えになりましたよ」
    「きっと、驚くわね」
    知ってる。死ぬほど聞いた靴音が遠くから聞こえたから。

    いっそこっそこの身体を、彼を知らない自分と知っている自分の二つに割いてくれと願えばいいのだろうか。

    「ああ、綺麗だよ。ウェンリー」

    「ありがとう、ワルター」


    一度でいいから、彼のいない世界で生きたいと切望しているのに、神様は一体私の何を叶えてくれるというのだろうか。

    「私は、この世で一番幸せな花嫁ね」
    「そうですね」

    さぁ、神よ

    「愛してますよ、ウェンリー」

    何度生まれ変わっても

    「ありがとう」

    願いが叶えられる事なく

    「私も、愛してるわ」

    ぶざまに生きる私を見て

    「ワルター」








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    Nagisasuruga

    TIRED最近忙しいので、カッとなってコプヤンでメ◯バを作ってみた。
    ヤン♀設定
    色々酷い
    誰も報われないし、幸せにもなれない。
    貴方が、いつにもなく真剣な顔をして結婚してくれと言う度に

    私は、神なぞいない事を知る。


    この運命が嫌いだと思ったことはない。
    あの時だけは運が無いというか生まれた時代が悪かったんだなぁくらいにしか感じなかった。私の周りを取り囲んでゆく人間に対しては、また生まれ変わってもどこかで会うんだろうな、会えない人もいるだろうな、その時はまた次で巡り会えるさと思い淡々と命のゴール待つ。そしてまたスタートに立ち、出会い、別れる。
    これを延々と繰り返してきた。
    今は何度目のスタートだったろうか、思い出すのも億劫になる。

    「お似合いですよ」
    「ありがとうございます。彼、コレがいいと言って聞かないものですから」
    分かっている。その言葉は、このドレスに初めて袖を通した時から腐る程聞いた。

    だが、彼は、彼だけは絶対に出会う。
    どこにいても、何をしていても、私を見つけ出し名を呼ぶ。

    「もう少し、レースを調節しましょうか」
    「お願いできます?」
    勝手にすればいい。大したアレンジもしないドレスの調節を何度すれば君達は気が済むんだ。

    だから、私は彼のいない世界に生まれることを何度も望んだ。
    拒絶
    という 1049