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    よしば

    @yoshi_R_K

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    よしば

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    愛とは何かの奏千を書きたかった気がするんですけど飽きた 二年時

    「あいとは、なんでしょう」
     ぽつりと呟く。それを聞いていたのは一人しかおらず、彼はぱちりと目を瞬かせた後小さく笑った。
    「相変わらず深海くんは難しいことを聞いてくるな」
    「むずかしいですか?」
    「うむ。愛といっても一概に言えないからな。そう言う意味では、正義と似たようなものかも知れん」
     千秋はゴミを拾う手を止め、ううんと唸る。彼は答えるのが難しい問いにもきちんと向き合って考えてくれる。何の見返りもないのに、一生懸命答えを探してくれる彼の気持ちは奏汰にはくすぐったかった。
    「愛は心だ」
    「こころ?」
    「俺も偉そうに言えたものではないのだがな。愛は心が生むものだ。そしてそれにはいろんな形がある」
    「いろんなかたち、ですか?」
     うむ、と千秋は頷いてこちらへ歩み寄ってくる。そして奏汰のことを抱きしめると、そのまま言葉を続けた。
    「例えばこれも愛の形だ」
    「ちあきは、ぼくのことを『あいして』いるんですか?」
    「そういう聞かれ方をすると照れてしまうが、まあそういうことだ。俺は深海くんのことが好きだ。ずっと友達になりたかったし、一緒にいることができて嬉しいとも思う。相棒として並び立てることを誇りにも思っている。これは、友愛というものだな。逆に問うが、深海くんは、俺のことをどう思っている?」
     千秋は抱きしめていた体を離して、こちらへ視線を合わせる。
     千秋のことをどう思っているのかだなんて聞かれるとは思わず、すぐに言葉が出てこなかった。彼のことは大好きだ。ただその一言に収めてしまうのがもったいないほどの気持ちを抱えている。
     なんて答えればいいのだろう。そう悩んでいる間にも千秋は目を逸らすことなくこちらの返答を待っていてくれる。その目を見て、自然と言葉がでた。
    「ちあきは、ぼくにとってかけがえのないそんざいです。ずっと『いっしょ』にいてほしいとおもってます」
    「む、なんだか恥ずかしいが……。まあつまり、君も俺のことを愛してくれているのだ!ふふ、嬉しいなあ」
    「いっしょにいたい、は『あいしてる』なんですか?」
    「うむ。それも一つの愛の形だ」
     うんうんと千秋は頷くと、こちらを覗き込んでくる。ニコニコと笑みを浮かべている表情はなんだか嬉しそうだった。
    「俺たちはアイドルだから、ファンの皆に愛されるのが仕事と言っても過言ではないだろう。だからきっと深海くんも、深海くんを愛してくれる皆を見ていれば自ずとわかると思うぞ」
    「そういうものですか?」
    「ああ!深海くんを愛する俺が保証しよう!」
     それだけ言うと、千秋はゴミ拾いに戻るためにこちらへ背を向ける。
     愛とは何か。その答えは未だわからないままだけれど、彼と一緒なら何かつかめそうな気がして奏汰はまだ小さい背中に微笑んだ。
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