Recent Search

    よしば

    @yoshi_R_K

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💫 🌱 🍖 🍟
    POIPOI 13

    よしば

    TIREDサブマリンの奏千 何か書きたかったものがあったはずなんですけど飽きました「ちあき」
     ざざん、と静かに波が押し寄せる海岸に立っていた。自分を呼ぶ声に振り向くと、奏汰がいた。
     時刻は真夜中、同じ部屋で寝ていた鉄虎たちはぐっすり眠っているだろう。奏汰も寝ていたと思ったのだが、起こしてしまっただろうか。
    「こんな『まよなか』でも『しれい』ですか?」
     千秋は今回のSSで、流星隊メンバーと一定の時間を過ごしてはならないという指令で仲間たちから離れて行動することが多かった。今こうして外に出てきているのも指令なのかと奏汰は聞いてきているようだった。
    「いや、流石に寝るときは大丈夫だぞ」
    「じゃあ、どうして?」
     奏汰は妙に鋭いところがある。その海を映したような瞳は何もかも見透かしているのではないかと思うことも少なくはない。そんな瞳に覗き込まれて、千秋は肩を竦めた。
    「少し眠れなくてな。夜風に当たろうと」
    「いくら『おきなわ』でもよるはさむいですよ」
    「そうだな」
     今着ているのは旅館に備え付けてあった浴衣一枚だ。上着を取りに行くのがどうにも億劫でそのまま出てきてしまったが、流石に夜風が冷たい。
     奏汰はそんな千秋に呆れた顔で手に持っていた上着を渡す。
    「持ってきてく 1683

    よしば

    DOODLE医務室での話 奏千 春くらい ESビル医務室で、奏汰はひっそりと溜息を吐く。部屋の中にあるベッドのうち一つだけ布団が盛り上がっていて、そこには己の相棒が眠っていた。
     すやすやと眠る千秋へ音を立てないように近寄る。その目の下には薄らと隈が出来ていて、相変わらず忙しく動いているであろう事が容易に想像出来た。
     卒業してからはそれぞれの事情で一緒にいることが以前よりも少なくなってしまった。奏汰はおうちの立て直しだの後処理だので忙しく動いていて、千秋との連絡が疎かになっていた。ようやく落ち着いた、と千秋に連絡をしてみたら、今度は逆に彼からの連絡がおざなりになっていて、理由を知っていそうな『プロデューサー』に事情を聞いて、今に至る。
     どうにも仕事がやけに増えているようで、寝る暇もないようだった。たまに空いた時間も仕事の為の稽古かこうして医務室でひっそりと休むからしい。今年からは寮に入っているから、自室に戻って休まないのはきっと同室の彼らに心配をかけたくないからなのだろう。
     一人で抱え込むのも水くさいのも相変わらずか、と千秋の頭をそっと撫でる。
    「むり、しすぎないでくださいね」
     ぽつりと呟いた瞬間、ぱちりと千秋の瞼が 2453

    よしば

    DOODLEお酒に酔っ払う千秋の奏千「ふふっ、かーなたぁ♪」
     背中からやけに上機嫌な声と共に腕が伸びてくる。後ろから痛いくらいに抱きしめられ、奏汰は小さく溜息を吐いた。
    「ちあき、いたいです」
    「んー?」
     回してきた腕をぽんぽんと叩くが、力が緩められることはない。もちろん潰れてしまうほどではないが、少し息苦しい。千秋は後ろから抱きしめたまま猫のように頭を擦り付けてきて、その頭をぺちりと叩いた。
    「まったく、どうしておさけのはいったちょこなんてたべちゃうんですか」
    「事務所のひとにもらったんだ。おいしかったぞ?」
     抱きしめてくる千秋の体はひどく熱い。まさかお菓子に入っている程度の酒で酔うとは思っていなかったのだろう、事務所の事務員は軽率だったと奏汰に頭を下げていた。もちろん彼が悪いとは思っていないので、謝罪には気にしないようにと返して、千秋を部屋まで連れて帰ろうと一緒にESビルを出た。
    「ほら。だきついてるとあるけませんよ。はなしてください」
    「む。おまえと一緒なんてひさしぶりだろう。もうすこしくらい、いいだろ」
    「そういう『あまえ』を『しらふ』でできたらかわいいんですけど」
     今の千秋はただの酔っ払いだ。きちんと話 1824

    よしば

    TIRED愛とは何かの奏千を書きたかった気がするんですけど飽きた 二年時「あいとは、なんでしょう」
     ぽつりと呟く。それを聞いていたのは一人しかおらず、彼はぱちりと目を瞬かせた後小さく笑った。
    「相変わらず深海くんは難しいことを聞いてくるな」
    「むずかしいですか?」
    「うむ。愛といっても一概に言えないからな。そう言う意味では、正義と似たようなものかも知れん」
     千秋はゴミを拾う手を止め、ううんと唸る。彼は答えるのが難しい問いにもきちんと向き合って考えてくれる。何の見返りもないのに、一生懸命答えを探してくれる彼の気持ちは奏汰にはくすぐったかった。
    「愛は心だ」
    「こころ?」
    「俺も偉そうに言えたものではないのだがな。愛は心が生むものだ。そしてそれにはいろんな形がある」
    「いろんなかたち、ですか?」
     うむ、と千秋は頷いてこちらへ歩み寄ってくる。そして奏汰のことを抱きしめると、そのまま言葉を続けた。
    「例えばこれも愛の形だ」
    「ちあきは、ぼくのことを『あいして』いるんですか?」
    「そういう聞かれ方をすると照れてしまうが、まあそういうことだ。俺は深海くんのことが好きだ。ずっと友達になりたかったし、一緒にいることができて嬉しいとも思う。相棒として並び立てることを誇 1148

    よしば

    DOODLEメテオライツありがとう
    30分で書いたなにか
     大掃除が終わったのは、終電も終わっている深夜だった。最初から学校に泊まるつもりだった千秋はともかく、一年生たちは慌てて家に連絡をしていた。彼らの親御さんには後日お詫びに伺わねばならないな、なんて独りでに考える。
     翠だけは家に帰れない距離でもなかったが、こんな夜更けに一人で帰すわけにもいかず、本人もしぶしぶながら家に泊まっていく旨を連絡していた。
     こんな時間まで彼らを付き合わせるつもりはなかった。申し訳ないことをしたななどと考えていると、隣からチョップが降ってきた。
    「か、奏汰」
    「ちあき。あのこたちはじぶんで『えらんで』ここにいるんですよ」
    「うむ、そうだな」
     申し訳ない、なんて思う方が彼らに失礼だ。そう奏汰に諭されて思わず顔がにやける。彼にいろんなことを教えるのは千秋の役目であったはずなのに、いつの間にやら彼から教わることも増えてきた。
     奏汰とは正直長い付き合いと言えるほどの時間は過ごしていない。海神戦の直後、二年の半分と三年になってからの時間だけだ。それでも奏汰は千秋のことを良く理解してくれている。それだけ気にしてくれていたのだと思えば、嬉しさがこみ上げてきた。
    「なあ奏 1454