パチ、と瞼の開く音がして、奏汰は目を覚ました。真っ暗な部屋の天井が目に入り込んでくる。
ゆっくりと首を動かして部屋の様子を窺うと他の二人はまだ眠っていて、起きるにはまだ早い時間だと自覚する。日が昇るのが遅い時期だから朝早い仕事が入っていると、まだ夜半なのかもう朝なのか判断がつかないことが多いが、感覚からしてもまだ早い時間だろう。念のため枕元に置いてあるスマートフォンで時刻を確認したら、四時を過ぎた時刻を示していて、やはり早い時間だったのだと目を瞑る。
しかしどんなに強く目を瞑っても、一向に眠気が来ない。今日は一日仕事が入っているので、今から起きてしまうと昼間に眠くなってしまうかも知れない。だが頑張って寝ようとすればするほど目が冴えていく。
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