飯の誘い煉獄「あー、やっと終わったな！」
実弥「最近残業多いよな」
宇髄「あー、もう10時じゃーん……」
煉獄「うむ、本当だな」


宇髄「……なあ。飯行かね？」
実弥「お、いいなァ。俺もう腹減ったよ、朝から何も食べてなくてさァ」
宇髄「俺も。昼飯食べるタイミングなかったよな」
実弥「なかったわァ。俺ちょっと眩暈したもん」
宇髄「俺もー。眩暈はしなかったけど」
実弥「じゃ『俺も』じゃねェじゃん」
宇髄「でも目やには凄かったわ！」
実弥「……宇髄、飯の前に医者行けよ」
宇髄「大丈夫、慣れた」
実弥「慣れたって何！？」

宇髄「……で、何食う？がっつりいきたくない？」
実弥「あーそうだなー……俺今腹減りすぎて、今だったら何でもいいわァ」
宇髄「じゃあ焼肉行こうぜ」
実弥「おお、いいなァ！」
宇髄「ほら、近くに新しい店できたじゃん。あそこ行こうよ」
実弥「あそこ美味ェのかな」
宇髄「どうなんだろうな」


煉獄「いや、美味かったぞ。1回行ったけど」
宇髄「マジで？」
煉獄「うん」
宇髄「じゃ、決定でいいよね」
実弥「おゥ。煉獄、もう出れるか？俺が今日鍵持ってるんだけど」
煉獄「うん、出れるよ」
宇髄「よし、じゃあ行きますか！」
実弥「行きますか！」


煉獄「…………」
宇髄「…………」
実弥「…………」




煉獄「…………あのさぁ」
実弥「ん？」
煉獄「その焼肉って……俺は誘われてるのかな……？」


宇髄「…………」
実弥「…………」


煉獄「いやあの、どっちか分かんない感じだったからさぁ……。誘われてるなら、行きたいし……誘われてないなら、ねぇ……アレだし……」
宇髄「……煉獄も来る？」
煉獄「あ、誘われてなかったんだwwあ、そっかそっかwwはいはい、分かりました、もういいよ」
実弥「いやいやいやいや！え、そんなことねェだろ、誘ってたよな……？」
煉獄「いやいやいいよいいよ、いい、いい」
実弥「いや誘ってたって」
煉獄「いやもういいって。俺もう1人でオリジン弁当食べるし……」
実弥「え、何で！？来ればいいだろ」
煉獄「いいよ、誘ってなかったんだから」
実弥「いやだから誘ってたんだって」
煉獄「だって俺が聞いてから言ってこなかった……？」
実弥「いや、それは煉獄があんな風に聞き直すから、なんかそういう感じになっちゃっただけでさァ」
煉獄「そうなの……？」
実弥「そうだよ」
煉獄「じゃ、俺誘われてたの……？」
実弥「そりゃそうだろ、だってみんな一緒にいたんだからさァ。3人で行こうっていう話だよ。なァ？」
宇髄「うん」
煉獄「……」


煉獄「……じゃあさ」
宇髄「ん……？」




煉獄「もっと分かるように誘ってくれよォォォォォォ！！！！！」





実弥「……え、なんで急にキレてんの……？」
煉獄「……ほんと気まずかったんだからな……」
実弥「何が……？」


煉獄「どっちか分かんないんだよォ！！！！誘われてるのか！！誘われてないのか！！！これって怖いですよぉぉぉぉ……」
実弥「テメェ何勝手に追い詰められてんだよ」
煉獄「いろいろ考えました。誘われてるつもりでついていっちゃおうか……当たり前の顔してついていってしまおうか……！でも誘われてなかったらどう思われる！？

『うわ誘ってねぇのについてきたぞおい……！』『え、どういう神経回路してんの……？』

ってなるだろ！！！！」


実弥「発想がネガティブすぎるわ」
煉獄「残された選択肢は1つだった……勇気を出して聞くしかないだろォ！！！！聞く勇気！！！！この勇気がどれほどでかい勇気か分かりますかァァァァァァァァ！！！！！！」
実弥「……煉獄が後半教師みたいになってる……」
宇髄「で、結局何が言いたいの？」


煉獄「……ちゃんと誘ってください。人を誘うときは……ちゃんと正式に誘ってください……！」
実弥「何だよ『正式に』って……。もういいよ、腹減ったよ俺……」
宇髄「じゃあ行こうよ」
実弥「おゥ」
煉獄「……正式に誘い直してもらっていいかな」
実弥「もういいだろめんどくせェな……」
宇髄「煉獄、焼肉行かない？」
煉獄「いいよ」
実弥「2秒で済んだよ！！！！たったこれだけのやりとりに時間かけすぎだよ！！」
煉獄「しょうがないだろう、宇髄が俺には直接誘ってこなかったんだから。誰だってああなるよ」
実弥「なんねぇよ。煉獄だけだよそんなめんどくさいの」


宇髄「……俺は別にどっちでもよかったんだけどねー」
実弥「……！？」
煉獄「え……？」
宇髄「どっちでもよかったの」
煉獄「何が……？」
宇髄「煉獄が」
煉獄「！？な、なんだって……！？」
実弥「どゆこと」
宇髄「俺はどっちでもよかったから煉獄のことは特に誘わなかったのにさ、不死川が最初から誘ってたみたいな感じで言うからおかしくなったんじゃん」


実弥「……え、俺が悪いの……？」


宇髄「悪いでしょ」
実弥「え、だって俺最初から3人で行くと思ってたもん」
宇髄「勝手に決めないでよ～」
実弥「じゃあそう言えよ！」



煉獄「……うん、一旦それ置いとこうか。

……宇髄、どっちでもよかったって件なんだけど……詳しく聞かせて」


宇髄「……煉獄は来ても来なくてもほんとどっちでもよかったんだよ。ほんとに。だから誘わなかったの」
煉獄「……それ1番傷つくよ！！！！え、宇髄にとって俺ってそんな存在なの！？どっちでもいいから誘わなかったって……

ど っ ち で も い い な ら せ め て 誘 え ！！！！」

煉獄「だから、どっちでもよかったから誘わなかったって言ってるのに！」
実弥「……真っ二つだな」
煉獄「……いいや、俺もう行かない。もういいよ」
実弥「え、何で、結局来ねェの？」
宇髄「俺はどっちでもいいよ」
煉獄「そこで『おいでよ』ってなぜ言えない！！！！」

宇髄「……じゃあおいでよ」
煉獄「じゃあって何だよ！！」
実弥「……もう全然焼肉行けねェじゃん……」
煉獄「もういいよ2人で行ってきなよ……！2人で行ってさ、俺の悪口をつまみに肉だの酒だのやってこればいいよ……！」
実弥「そんな卑屈になんなよ」
煉獄「2人で行くのがベストなんでしょ！？宇髄と不死川の黄金コンビでさ！！」
実弥「何だよ黄金コンビって！」
煉獄「早く行ってきなよ！

……あーあ腹減ったーー！！！」



実弥「じ ゃ あ 来 い よ ！！！！！」

実弥「お前ほんっとめんどくせェな！！」
煉獄「いいよ早く行けよ黄金コンビ！！」
実弥「黄金コンビじゃねぇよ！

……ちょ、宇髄何でどっちでもいいとか言ったんだよ……。またこじれただろォが」
宇髄「俺は1人で飯食べたくなかっただけだよ。別に煉獄と2人でもよかったよ」
実弥「…………え…………？」
宇髄「たまたま不死川に先に声かけただけで、煉獄が先だったら不死川は別にどっちでもよかったよ」
実弥「…………」
煉獄「…………」


煉獄「え……宇髄、別に俺のこと嫌いとか、そういうわけじゃないの……？」
宇髄「違うよ。不死川がそっちの立場ってことも全然ありえたよ」


実弥「…………！？」



煉獄「よかった～…………嫌われてなかったぁぁぁぁ…………」
宇髄「で、結局誰が俺と飯行くの？」
煉獄「はーーーい！！！」
宇髄「じゃ行こっか」
実弥「……いやいやいやいやいやいやいやいや！！！え！？俺は！？」
宇髄「来る？もうどっちでもいいけど……」
実弥「え、何それ……。え、何？俺急にどっちでもよくなっちゃってんの……？」
煉獄「どう、嫌でしょ」
実弥「すげー嫌だよ！！！！」

実弥「何なんだよ宇髄テメェさっきから聞いてたら！！何そのスタンス！いい女か！！！！」
宇髄「……へ？」
実弥「なんかどっちでもいいとか、結局誰が俺と飯行くのーとか……なんか凄く宇髄と飯行きたい2人みたいになってんだろォ！！！！」
煉獄「あー……確かに」
宇髄「そうかな……」
実弥「自覚しろよ！！！俺ら2人はなァ、今宇髄に振り回されてんの！！！」
煉獄「そうだよ！で、いざ付き合ってって言ったら結局宇髄2人とも振るんでしょ！？」
実弥「いやそれは違う」

宇髄「で、どっちなの？来るの、来ないの？」
実弥「行 か ね ェ ！俺もう宇髄とは飯行かねェ。今日はもう煉獄と2人で行く！な、行こうぜ煉獄」
煉獄「いや3人で行こうよ」
実弥「え……？え、何、煉獄……。えー違うじゃん違うじゃん……。違うじゃん！今この流れは、俺と煉獄と結託して宇髄をこらしめるパターンだろォ！？テメェ全然空気読めねェな……！！！」
煉獄「何それ！？」
宇髄「そうだよ。煉獄が空気読めないから今こんな感じになってるんだよ」
煉獄「俺空気読める！！！！！！」
宇髄「いや、読めないでしょ」
煉獄「読んだ！！！！！！」
実弥「読んだって何だよ」
煉獄「何だよ結局俺かよぉぉ！！じゃあいいよ2人で行ってきなよ！！黄金コンビ復活だな！！！！」
実弥「気に入ってんじゃねェか！俺はもう宇髄と飯行かねェって決めたからな！」
煉獄「俺も1人でオリジン弁当食うから」
実弥「俺もコンビニ行って弁当買うわ。宇髄どうすんだよ」

宇髄「じゃあ俺、嫁たちと一緒に飯行くよ」

実弥「……なんで宇髄毎回俺たちよりちょっと上なんだよ。……あーもう無駄な時間だったわー……」
煉獄「……嫌われろ。嫌われて孤独に慄け……！」


宇髄「あ、もしもしー？俺だけど。うん。今から飯行かない？」

実弥「…………」
煉獄「…………」

宇髄「……あ、うん、じゃあすぐ行くよ、はーい」



宇髄「……なあ。今なんか、冨岡と遭遇したからそのまま一緒に飯行ってるみたいだけど、来る？どっちでもいいけど」




実弥&煉獄『行くよ！！！！！！！！』