道門に冗談っぽく「変態」と言ってほしかっただけの小話
ソファに座る旬のことを背凭れ代わりにして何か熱心にスマホを見ている道門
旬も特に気にもせず好きにさせていた
何をそんなに熱心に見ているのかと、ふとなんとなくスマホ画面をチラリと覗いてしまう
そこには何かの通販サイトなのか画像が表示されており商品名は…文字が小さくてよくわからないが、明らかにアダルトなオモチャの画像だった
「(なんつーもの見てんだコイツ……)」
そんな程度に思っていた次の瞬間ページが更新されて[注文完了]の文字が表示され流石の旬も驚きの声をあげてしまう
「…は?!」
頭上から聞こえた驚く声に道門が悪戯な笑みを浮かべながらこちらを振り向く
「おいおい覗き見するなよ、この変態 」
いやそれはこっちのセリフだが…??と言いたげな表情の旬を見て道門は気分良さげに起き上がり旬の顔を覗き込む
「明日届くってさ、はやいよねえ」
「お、おぉ…そうか…よかったな…?」
「君に使うんだよ」
「へ?」
そう言って軽やかにソファから立ち上がると得意げな顔で旬を見下ろし ふふん と上機嫌な笑いをこぼす
「楽しみだね」
そう言って飲み物を取りに冷蔵庫に向かう道門の背中をポカンとした顔を見つめる旬は先ほどの画像がどんなオモチャであったのかを思い出し顔を赤らめてあわあわと震えだす
(アレを…俺に使う……?明日届く…………アレを…明日、俺が…………???!)
道門は後方にいる旬が明日のことを想像し悶々としている様子をチラリと見て確認し再度笑いを溢し冷蔵庫から取り出した飲み物をコップへと注ぐ
(あー面白い、わざと目の前で注文してやってよかったなぁ)
(さて、どんなふうに使ってやろうかな…)
明日のことを考えながら2人分の飲み物を手に持ってリビングへ戻っていく道門はここ最近で1番上機嫌であった…