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    HARUMAKI

    高銀好き字書き。未だにSNSの使い方がよく解っとらんアホ。

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    HARUMAKI

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    冗談だとおっしゃっていましたが、ノリと勢いで作りました!
    赤飯さん、設定借りパクして申し訳ありません!でも楽しかったです!

    #腐向け
    Rot
    #高銀
    highSilver

    嘘の嘘は真 四月一日の午前中、好きだと告白された。俺も想っていた奴に。相手は同姓で、昔から知っている奴で、鬼神の如くと評されているような奴だった。一生涯の片想いだと信じて疑わなかったというのに。

     俺は柄にもなく、唇が少し震えていた。体温が上がっていくのがわかる。少しの間があって漸く口を開き、言葉を発しようとした、その時。


      "嘘に決まってンだろ!"


     エイプリルフールだと、お前を好きになるわけがないと言われた時、俺は出しかけていた言葉を飲み込んだ。多分ここ数年で、最も気力を振り絞っただろう。
     一つ悪態をつき、朝日に輝く山へと足を向けた。いまだ赤い顔を隠すために。感情に任せていらぬことまで口走ってしまわないように。
     立ち尽くしている銀時に背を向け、逃げるように足を速めた。




     暫く進んで人の気配が全くしなくなった頃、気を落ち着かせようと足を止め、深く息を吸って吐いた。だがやはり、怒りと恥ずかしさがどうしても吐き出せなかった。アイツはほんの冗談のつもりだったのかもしれないが、弄ばれたような気がしてならなかった。あれ以上あの場にいたら、一瞬の怒りで今の関係性さえも失っていたかもしれない。そう思うと、自分の英断を褒めてやりたかった。



    「……だが、ありゃぁ…」

     落ち着いて先ほどのことを思い出す。すると、あの一瞬では理解できなかった銀時のことが、少しづつ見えてきた。
     俯いていてもわかるほど赤く染まった顔。わずかに震えていた声。去り際に見た表情。どれをとっても、冗談で嘘を言った奴の表情ではなかった。

    「…まだ、希望を捨てるにゃぁ早ぇってことなのか…?」

     銀時のことは、理解しているつもりだ。なにせ子供の頃からずっと見てきたのだから。そこで少し考えてみた。
     アイツは戦場とは似ても似つかぬほど初心で、恐ろしいほどに鈍感で、慣れないことには異様に照れる。それこそ顔を真っ赤にして……


     そこまで考えて、一つの可能性、もとい願望が見えてきた。
     アイツはもしかして、照れくさくて居た堪れなくなり、俺への告白を嘘にしてしまったのではないか、と。


     「……チッ、考えても埒が明かねぇ」

     もしも本当に冗談だったとしたら。本当は俺のことを好いてなんかいなかったら。以前はそう思っていたが、今回は状況が違う。

     先に仕掛けてきたのは銀時だ。それで本当に好かれていなかったら、今から落としてやる。
     好いているからこそ逆に怒りがどんどん膨らんでいって、そんなことを思うようになった。
     


     だが俺の意思を知ってか知らずか、アイツはあからさまに俺を避けるようになった。見かけようものなら即逃げていくし、いつも以上に気配を消している。戦が終わったばかりで皆が安寧を望んでいるというのに、俺の機嫌は悪くなる一方だった。

     そして、あれから四日が過ぎた頃、俺は漸く銀時を捕まえることに成功した。


    「…た、かすぎ…あの、こ、この前はその…悪かったって、マジで…!」
    「…銀時。話聞け」
    「いや、お前、顔怖ぇし、ぜってぇ怒ってるだろ!ホントに悪かったって!あんな気持ち悪ぃこと言って…」
    「……あ"!?」

     普段のよく回る口はどこへやったのか。言葉を詰まらせながら言い訳をしている。ここまで来てしまえば、嘘が嘘だということもよくわかる。
     が、それにしても、よりによって気持ち悪いとはどういうことだ。俺も同じ事を言おうというのに。


     怒りに任せて、できればもっと違うシチュエーションで言いたかった言葉を放った。

    「チッ、……好きだ」
    「………え?な、なに…そんな怒ってんの?べ、別にやり返さなくてもいいだろ、謝ってんだから…」


     頭の中で何かが切れたような気がした。気に食わないことはしょっちゅうだが、ここまでコイツに苛立たされることは初めてだ。


    「……なに、だから、悪かったってい、…ん"!?」

     胸ぐらを掴んで、唇をぶつけた。キスなんて生やさしいもんじゃない。文字通りぶつけた。


    「…だから、好きだって言ってんだろ!」
    「……………は…?」


     何が起こったかをようやく理解したらしく、銀時の顔がどんどん赤く染まっていく。小刻みに震えながら、眼を慌ただしく泳がせていた。

    「……なん、で、こんな…もっと、言い方とか…」
    「テメエにだけは言われたくねえ。そもそもテメェの所為だろうが。どうせ居た堪れなくなって嘘にしたんだろ」
    「う"………いやぁ、その……」
    「図星か」
    「えと…まぁ……そう、です…」

     ため息をつきながら手を離す。やはり俺の読みは当たっていた。



    「…とりあえず、この借りは返して貰うぜ」
    「へ?ど、どうやって…」
    「身体に決まってんだろ」

    ますます赤くなった銀時の顔を見て、俺は久方ぶりに笑顔を浮かべた。
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