オカルティックアイドル⭐︎バ◯ラ「おい貴様、オレ様のライブに来な」
細い指でビラを差し出したバクラは、ふんぞり返ってそう言った。
オカルティックアイドル・バクラ。見ての通りオレ様な態度と妖艶な雰囲気が人気の地下アイドルだ。三千年の時を超えて復活した大邪神という設定なので、ファン(通称:死霊)からは闇バクラ様、ゾーク様と呼ばれ崇められている。
そんな大邪神様がなぜ路上でビラ配りをしているのかというと、来たるアイドル同士の交流ライブ「闇VS闇」の決闘相手…ライバルのマリクに勝つためだ。
突如現れた新星。一見アンニュイな雰囲気を纏いながらも、ひとたびステージに立てば狂気に満ちた歌声とパフォーマンスで見るものを圧倒する。そして時折見せる幼い表情や仕草のギャップがオタクの心を掴み、マリクちゃんマリクちゃんと持て囃され、デビュー数日であっという間にファンを増やしていった。バクラはそれが気に入らなかった。
(以下AI)(口調のみ修正)
しかし、その人気もここまでよ! オレ様の魅力の前にひれ伏すがいいわ!!
この日のバクラは機嫌が悪かった。なぜなら昨日発売されたばかりの限定フィギュアを買ったら不良品だったからだ。それはもう酷い出来栄えだったので、つい売り払ってしまったのだが後悔している。
しかし今はそれどころではない。目の前にはチラシを持ったまま凍りついている少年がいるのだ。
「おい、聞いてんのか?」
バクラが苛立った声を上げると、少年はハッとしたように顔を上げた。
「ごめんなさい、聞いてませんでした」
「あぁ?つまらねえ奴だぜ。まあいいか、とにかくこれはオレ様の贔屓死霊になれるチャンスなんだぜ? どうせ暇してんだろぉ? 早くしねえと他の奴に取られちまうかもしれねぇぞ?」
ニヤリと笑うバクラを見て、少年の背中を嫌な汗がつたう。
---
ビジュアル系ドイケメンバクラとGパンにインしたチェックシャツにポスター挿したリュックにバンダナのジオラマオタク宿主が秋葉原で愛を育む話読みたい…