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    nao_aot

    @nao_aot

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    nao_aot

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    進捗厚かましくも、最初に私ハンジ・ゾエ第十四代調査兵団団長が筆を執ることになった。最終的に次代の十五代で終焉を迎えた兵団だったが、中には就任から一年持たずに死亡した団長もいたし、何年もかけてその座において変革を成し遂げた団長もいた。
     私の評は………後世に託すこととしよう。奇しくもパラディ島に新時代をもたらすこととなった850年初冬のウォール・マリア奪還作戦を境に団長になったものだから、調査兵の職務の幅は広がり、私なりに精一杯努めてきたつもりだ。
     あるいは、私の代は兵団の歴史の中で一等不幸だったのかも知れないし、幸福だったのかも知れない。少なくとも、私は新時代を生きることが出来てよかったと心から思っている。その点は、指名してくれたエルヴィンに、そして命を賭して私を生かしてくれたモブリットに感謝してもしきれない。
     少数精鋭どころか、ほんとうに極少数まで数を減らしてしまった調査兵団、問題は山積みだった。
    『海の向こうにいるのが敵なら、防衛策を講じないとね』
     エレンには悪いが、私たちには落ち込んでいる暇などなかった。
     ライナーや、獣の巨人ともうひとりが、一路退却してから既に半年近く経っていた。
    「ここが、マーレからの最短ルートなら、彼らは近いうちに必ず再びここから上陸して来る。さて、我々はなるべく早く防衛拠点を構えなければ」
     そうして、私たちはマーレの艦隊を迎え撃つ準備を始めた。
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