ナイフについたいちごジャム 悪魔姿のサタンを目の前にしてゾッとした。
ここはキッチン。いったいここで、悪魔姿になるほどの何かがあったのだろうか?
恐る恐るキッチンの中に足を一歩踏み入れると、サタンがこちらを振り返った。
サタンの顔を見て、自分は思わず悲鳴をあげそうになる口を手で押さえつける。
サタンの手に持っているのは、赤く濡れたナイフ。そして、頬に一筋の赤い線とそこから液体が流れたような赤い跡。
これは……いったい…………
「見てしまったか」
そう言って笑うサタンを見て、自分の喉の奥から声にならない悲鳴が込み上げてくる。自分は小さく、何度も、首を横に振った。
「……あぁ、何か勘違いしていないか?」
そういってサタンはナイフについた赤いものをペロリと舐める。
698