あの日の正解よりこの先の永遠を考えろ あの二人に何を見ているのかわかる。晴れ渡る空を数滴垂らしたシトリンの瞳の先、そこには決して離れ難さに苦しむ若者たちだけがいるのではない。栄光の時代の残骸。夢の終わりを重ねている。
確かにブラッドリーも嫌というほど意識させられた。馬鹿馬鹿しいくらい似ているのだ。相棒の思いから目を逸らし、何も言わせまいと殊更に明るく振る舞い隣に縛りつけようと必死のセシリオ。大切だからこそ一緒にはいられないと理解していて、別れの言葉を告げないまま消えようとしているルーベン。
どこかで見た景色じゃねえか、とうんざりする。あいつらのように生やさしいやりとりではなかったが、質の悪い過去の再演を観客席から眺めている気分だ。胸糞悪いからさっさと席を立ちたいのにそれも叶わず、嫌々舞台を見つめる。結末がわかりきっている舞台など何の面白みもない。
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