添い寝(晶♂シャ)昼間に飲む珈琲のカフェインが体内に残っているのか、いつまでたっても眠気が来ない。そんな夜が数日も続いて、さすがに疲労が溜まってきた。そんな俺を見たシャイロックが、赤い瞳を優しく細めて「では、私が眠れるようにしてさしあげます」と言ったのは今朝のことだ。バーを臨時休業にしたシャイロックは、今、仰向けに横たわる俺の横で添い寝をしている。てっきり、寝付きがよくなるドリンクかなにかを渡されると思っていたのに、———どうしてこうなったのか。
「あ、あの、シャイロッ」
「心配しないで、私はここにいます。賢者様が眠るまで、ずっと」
いやいや、それが問題なのだ。ほのかに香る彼の匂いが鼻をくすぐる。人形のように整った顔やしなやかな体が密着し、体温を感じて心臓が高鳴っていた。シャイロックの体、あったかいな。俺と同じリズムで呼吸するんだ。当たり前のことなのに、彼のひとつひとつが胸の柔らかいところを撫で、くすぐってくる。
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