くっついた直後のブラネロと魔法舎のみなさんの話「ネロさん、もしかして何かいいことでもあったんですか?」
急に声をかけられて、それまで別のことを考えていたネロは驚いて顔をあげた。
クリームシチューの鍋をかき混ぜていた手を止めると、夕食づくりを手伝ってくれているカナリアが、作業がひと段落したのか洗った手をタオルで拭いながら小首を傾げている。
「えっ、い、いや、なんで?」
「だってネロさん、ずっと小さく鼻歌を歌っていましたよ。よっぽど嬉しいことがあったんだなって思ったんです」
「……俺そんなことしてた?何か変なこと言ってたりした?」
指摘されるまで完全に無意識だった。
にこにこと微笑むカナリアに「今日はいつにも増して楽しそうにお料理していましたよ」と告げられ、穴があったら入りたくなってくる。
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