槇義SS(酒柱プチ参加記念)触らぬ神に祟りなしとはよく言ったもので。生き残った下級隊士も後から来た隠たちも各々課せられた仕事に専念している。炎柱が任務の際も酒を抜くことが出来ず、下手に関わると酷い目に遭うと皆知っているからだ。
一方で炎柱もそういった振る舞いには関心がないらしい。扱いが悪いと腹を立てる様子もなく、鬼の頚を斬った後は酒を煽り静かにその場を立ち去った。
俺は後処理が済んだのを見届けると、近くにある藤の家紋の家へ急いだ。まだ頭上に満天の星空が広がる夜更けの事。
「はい、炎柱様もお出でになっております」
家の者に尋ねると、炎柱は風呂も食事も断り離れに閉じこもったそうだ。
「離れは祖母が亡くなってから使っておらず……ですが掃除も何もしなくていいと言われたので、せめてお布団だけ運ばせて頂きました」
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