Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    survive1978

    @survive1978

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 2

    survive1978

    ☆quiet follow

    バルクラ書いてみた~。スマホに直打ちしたので、文章がまぁまぁ荒い…。

    ##ff16
    ##バルクラ

    がらん、と大きな音を立てて大剣が地面に落ちた。柄を握る主の両手から力が失われたのだ。
    焔の鎧も余韻なく剥がれ落ちた。
    「兄さん!」
    大きな一撃を食らって、最愛の兄が崩れ落ちるーー前に、受け止めねば、とジョシュアは手を伸ばし、駆け出した。
    だが、手も足も届かなかった。
    届く前に、斬撃の音を聞いた。
    「ーー」
    ぞわり、と瞬時に全身が粟立った。眼前に迫っていたのは赫。考える前に足が止まった。頭を左に傾けた。
    赫い斬撃が身体の横を通り過ぎた。右肩を掠める。熱い痛み。左手で押さえる。じわり。血。
    兄ーークライヴは地面に落ちなかった。
    ジョシュアのものではない、違う人間の腕が筋肉質の身体を受け止めていた。
    「……っ、バルナバス」
    ウォールードの王、召喚獣オーディンのドミナント。
    クライヴの全身に剣撃を浴びせ、駆け寄るジョシュアの足を止め、肩を傷つけた男の名を、火の弟はこれでもかと憎しみを込めて呪詛のように呼んだ。
    バルナバスは応えず、ただ、ジョシュアに視線を遣り口端を上げた。
    嘲笑。
    「貴様…」
    ジョシュアは腰にぶら下げていた剣を抜いた。
    かくり、と顎が上を向いているせいで露わになっているクライブの喉に、バルナバスは指を這わせた。
    「……」
    鎖骨から顎へと、緩慢に。
    そして最後に、尖った顎をべろり、と舌で舐めた。
    「バルナバス」
    ジョシュアは殺意と共に男の名を吐き出した。
    剣の切っ先を、バルナバスに突きつける。漆黒の男は動じない。嘲りの笑みも消えない。
    「返せ それは“僕の”だ」
    「返せと言われて返すわけがないだろう、フェニックス」
    「返せ」
    ジョシュアの全身が、握る剣ごと炎に包まれる。
    バルナバスは動かない。だが、足元から黒い靄のようなものが噴き出した。バルナバスと、彼が抱えているクライヴを覆うように拡がる。
    「僕の兄さんを返せ」
    不死鳥の炎を纏い、ジョシュアは地面を蹴った。瞬時に距離を詰める。
    ーーバルナバスの表情は、変わらない



    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works