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    nishikokko

    現在は對馬の仁ゆな小説書いてます。

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    nishikokko

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    イニゆのお話。
    現パロでもゲームクリア後でも、お好きな方で妄想してくださいm(_ _)m

    寒い朝交わった翌日は、大抵何処かの痛みで目が覚める。
    今日は……腰だ。
    ちょっと手加減してとは、いつも言う。なのに結局そんな約束は吹っ飛んで、気だるい朝を迎える。

    本当……勘弁して……。

    生まれたままの姿を隠し、身を縮めた。今日は寒い。血まで凍りそうな程に。
    本当は裸で抱き合うと暖かいのだけど、相手が居るはずの隣は空だ。あたしは居るはずの奴を呼んだ。
    「仁」
    幾度か、同じことをした。返事はない。でも、探す気にはなれない。
    「寒っ!」
    ここから出ようとすると、体が震え、肌が鳥の皮のようにブツブツとする。出たくない、今は此処から出たくない。
    左右の足を擦り寄せる。凍ってしまったのではと思う位に、爪先は熱を失っている。それでも、擦り合わせれば多少はマシだ。
    「ゆな」
    声の方に顔を出す。足元には、睦言の約束は守らない男がさっぱりとした顔で突っ立っていた。
    自分だけ暖かそうな格好しやがって。
    「まだ起きないのか?」
    「……此処から出たくない」
    そう言いながら、もそもそとかけているものを体に巻き付ける。頭まですっぽりと布に包まれているあたしに、仁は笑みを向けた。
    「まるで蓑虫だな」
    「うるさいっ……揶揄うヒマがあるなら、あっためて」
    一体、誰のせいでこんな格好で寝てるのか。
    不服な顔をわかりやすく作ると、また笑う。だらしなくて、熟れた桑の実みたいに甘いものを含んだ何かがポロポロ落ちるような感じで……。
    「わかった」
    「そう、分かれば……ってあんたっ!」
    裸になりたがる子供がただ背丈が伸びただけ。そんな雰囲気で、仁は躊躇なく裸になり、呆気に取られるあたしの纏う布を引っ剥がし、またくるくると纏わせる。
    「暖め合うのだろ?」
    「……そう言う意味じゃないんだけどっ」
    「まぁ、良いではないか」
    とくとくとする胸の音が耳を喜ばせる。色々な暖かさに包まれながら、明日も気だるい朝を迎えるのだろうと、あたしはほんの小さなため息をついた。
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