オレだって、たまには。「ふむ……。それなら、ここは下手にいるしかないか……」
「うん、次の動きが間に合わないからね。あまり目立たないというのが問題だから、ちょっと迷ってはいるんだけれど」
「なるほど……。ああ、それならば、寧々の台詞のところで、此方に移動してもらうのはどうだ?」
「へえ、それはいいね。これならカバーができる。後は……」
何時も通りの練習風景。
休憩時間だから、えむと寧々は飲み物を買いに行っているが、オレ達は休憩はそこそこに、立ち位置の相談をしていた。
公演までの期間はまだあるが、できるだけ詰めて詰めて、よりよいショーを作る方がいいだろう。
というのが、オレと類の見解だ。
……まあ、大概えむと寧々に怒られて、休まざるを得なくなるのだが。
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