かまわぬ朝の陽ざしがレースカーテン越しに柔らかく降り注ぐ窓辺。
そこに置かれた背もたれのない長椅子にバンジークスは横たわっていた。
休日だというのに、いつもと変わらぬ時間に起こされ朝食をとったあと
特に予定もないので優雅に二度寝と決め込んだのだ。
揺れるカーテンの衣擦れと静かな寝息だけが聞こえていた部屋に
亜双義がやってきた。
休日でも起きる時間は変えず、何度も用意するのは手間だからと
バンジークスも起こして一緒に朝食を食べた後は
庭の散歩や、卓上に積み上がり始めた本の整理などをしていた。
やっておきたいことを一通り終え、その後の用事もないので
バンジークスの様子を見ようと屋敷内を探していたのだ。
亜双義が部屋の中に入り、長椅子に近づいてもバンジークスは寝たままだ。
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